リーダーシップ

2026.02.27 11:00

その深夜メールがチームを腐らせる、優れたリーダーが「境界線」を引き私生活を守る理由

Shutterstock.com

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我が家には、夕食時にデジタルデバイスを見ないという明確なルールがある。私と妻にとって、家族としての時間を過ごすために大切なことであり、一緒に食事しているという体験を、長方形の光る物体によって邪魔されたくないからだ。

だが数週間前、息子たちの一人が、タブレットをテーブルまで持って来たことに気づいた。食べ始める前から見ていたYouTube動画に夢中になり、最後まで見ようと思ったようだ。私は優しく、だが毅然とした態度で、家族のルールを息子に思い出させた。

驚いたことに、すべてお見通しだと言いたげな表情が、息子の顔に広がった。まるで決定的な証拠を明かそうとする弁護士か、あるいは、チェックメイトを宣言する寸前のチェスのグランドマスターのようだった。彼は勝ち誇ったように、「父さんだって夕食中にスマートフォンを見てるじゃないか」と言い放った。「先週だけで2度もやってたよ」

確かにそうだった。その前の週、私のチームは新しいインテグレーションをリリースしたが、テストでちょっとしたバグが見つかったのだ。私は自分で決めたルールを破って、食事の席で何度かこっそりとスマートフォンを盗み見し、他に何も不都合が起きていないことを確認していた。

自分の子どもに偽善者だと暴かれるのは屈辱的だ。しかし、「スクリーン禁止」のルールを設けた時、それは会社のCEOも小学生も例外なく、全員に適用される基準であるはずだった。境界線を設定する者が自らそれを守ろうとしないなら、境界線は意味を持たない。

国中で燃え尽きのレベルが跳ね上がり、未来についての不確実性が蔓延している。この問題の解決策は、チームあるいは自分自身をさらに追い込む、ということではない。むしろその反対だ。実際、境界線を常に示し続けるリーダーは、自身の時間とエネルギーを守るだけでなく、チームが最高の成果を出せる環境を作り出す。今回はその方法を紹介しよう。

行動で示す

境界線を引くことの重要性について、リーダーたちは言葉では称賛するものの、自らが実践しているとは限らない。深夜のSlackメッセージ、週末のメール、休暇中の進捗確認などがその証拠だ。こうした行動は、境界線が優先事項ではないという明確なシグナルであり、リーダー層がそれを優先しないものを、チームが優先するはずはない。

意外なことではないかもしれないが、境界線を設けている従業員は、設けていない従業員と比べて、同じ質の仕事をしているにもかかわらず、上司からより厳しい評価を受けていることを示す研究結果がある。約8000人が参加した調査では、管理職に対して、さまざまな従業員のプロフィールが提示された。それは、同等の業績を上げているものの、仕事から「距離を置く」方法が異なる──例えば、週末の外出中に不在メッセージを設定するか否かといった点で差異があるものだった。

リーダーたちは、本当に仕事と距離を置いた従業員が、より高い生産性と、より満たされた幸福感を持って職場に戻ってくることを観察していた。にもかかわらず、昇進や新たな役割への起用を検討する際には、彼らを冷遇した。仕事と距離を置くことの明らかな利点にもかかわらず、そうした従業員はコミットメントが低いと見なされていたからだ。

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翻訳=藤原聡美/ガリレオ

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