働き方

2026.02.23 16:06

「ありのままの自分」で働くのは幻想か? 職場で自分らしさを貫く方法

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「ありのままの自分でいればいい」。そんなアドバイスは誰もが耳にしたことがあるだろう。シンプルに聞こえるが、実際はそう簡単ではないことが多い。とりわけ職場では、役割を果たすという現実的なプレッシャーがあるからだ。厳しい締め切り、非現実的な目標、要求の多い上司、こちらの逆鱗に触れるのがうまい同僚——結局のところ仕事は仕事であり、ときには本心を口にできず、友人や家族といるときのように振る舞えず、自分の感情について完全に正直ではいられない。現実には、職場に「ありのままの自分」を持ち込むことは決して簡単ではないのだ。

しかし、1日の大半を過ごす職場で本当の自分を抑え続けることは、疲弊と幻滅をもたらす。

一方で、職場で本物の自分でいることには利点もある。ハーバード・ビジネス・スクールとUNCケナン・フラグラー・ビジネス・スクールの研究によると、就職面接や投資家へのピッチなど、仕事の場面で相手の関心や期待に合わせようとすると、望む結果とは逆効果になることが多い。むしろ、自分らしくいるほうが効果的だという。また、LGBTのリーダーを対象にした別の研究では、リーダーが自分のアイデンティティをオープンにすると、チームの信頼感、心理的安全性、パフォーマンスが向上すると報告されている。

「ありのままの自分」で働くことは可能なのか、そしてどうすれば実現できるのか。ストーリーテリングコンサルタンシー、エレクトリック・ピーチのCEOであり、『Beyond Palatable: A Manifesto for Unapologetic Women』の著者であるソフィー・ジェーン・リーに話を聞いた。

「ありのままの自分」で働くとは何を意味するのか

職場で本当の自分でいることは複雑であり、定義するのも難しい。特に女性にとっては、仕事の場で本当の自分を出すことはより困難になりうる。最近の研究によると、「女性が感情的な本音をキャリアの成功と引き換えにした場合、その努力は部分的にしか報われない」という。

「『ありのままの自分で働く』というのは、進歩的な理想として売り込まれています」とリーは語る。「雇用主がこの言葉で意図しているのは、『意欲的で、情熱的で、感情的にコミットし、革新的で、自社の価値観と整合していてほしい』ということです。人間中心で包括的に聞こえます。

「しかし現実には、多くの場合、条件付きです。自分の一部——エネルギー、アイデア、コミットメント、創造性——は歓迎されますが、居心地の良さを壊したり権力に異議を唱えたりする部分は歓迎されません。多くの女性にとって『ありのまま』とは、実際には受け入れられるように振る舞い、安全で雇用可能で好かれる存在であり続けるために自分を編集し、野心的で優秀でありながら控えめで従順であることを求める矛盾した期待に対処することを意味します」

職場で自分らしくいることがなぜ重要なのか

企業で出世を目指すにしても、自分のビジネスを構築するにしても、仕事モードに入ったときに、少なくともほぼ自分らしくいられると感じることは重要だ。人格全体を仮面で覆っているかのように感じるべきではない。日々の業務を超えて、週の大半で本当の自分を抑え込むことは、長期的な影響をもたらしうる。

「自分の声を一貫して薄め、直感を抑え込み、暗黙のルールに合わせるために常に自己監視していると、精神的にも感情的にも身体的にも負担がかかります。研究は一貫して、職場での不誠実さが燃え尽き、意欲の低下、ストレス関連疾患と結びつくことを示しています」とリーは語る。「実務的なレベルでは、自己裏切りは影響力を制限します。より安全な決断をするようになり、より小さなアイデアを提案し、発言すべきときに躊躇します。時間の経過とともに、これは自信と野心を蝕みます」

教育コンサルティングのシニアディレクターを務めるサビーン・カーンモハメド・アリアンプールは、自分らしさと職場の間に強い一致を感じている。「私にとって、自分らしさは好奇心として現れます。たとえ見解が異なっていても、まず人として向き合うことを意味します。職場で自分の声が届いていると感じます——それは周囲の文化のおかげでもありますが、職場での自分らしさとは単なる自己表現ではなく、明確にコミュニケーションし、深く傾聴し、自分の信念に立つという規律でもあるからです」

「私は教育への強い使命感と、今この瞬間における仕事の現実世界への影響を共有する同僚と働けることを幸運に思っています。直属のチーム内では強い一致がありますが、仕事では政策や優先事項について異なる視点を持つステークホルダーと関わることも多いです。そのバランスが許容されるだけでなく、価値あるものとされる環境で働けることは幸運です。私はこれを当たり前とは思っていません」

ただし、すべての女性が職場で「見てもらえている」「聞いてもらえている」「自分らしくいられる」と感じられる特権を持つわけではない。タリア・レヴィンは、イベント業界でセールスアカウントディレクターとして働いている。

「『ありのままの自分を持ち込む』というのは、標準的な物語に合わない意見を持った瞬間に、同じ強みが疑問視されるとき、神話のように感じられます」とレヴィンは語った。「親しい同僚の輪はいつも私の味方ですが、より広い仕事の世界では、女性に対するゴールポストがいまだに動き続けています。毅然としていれば『強すぎる』。人間らしさを出せば『繊細すぎる』。ありのままの自分で働くことを許されているようでいて、実際には非常に特定の、事前承認された箱に収まる部分だけが許されているように感じます。

「私の経験では、この許可は条件付きであることが多いです。営業では、自分らしくいる権利は通常KPIに依存します。数字が良ければ、あなたの個性はユニークな資産です。そうでなければ、同じ特性が突然問題になります。自分らしさが最新の営業レポートと同程度にしか安定しないという、疲弊するサイクルです」

このパラドックスには重要な理由がある。

「自分らしさに関して、女性は公平な競技場で戦っていません。『二重拘束』に直面しています。温かくあれ、しかし弱くあるな。自信を持て、しかし脅威になるな。主張せよ、しかし『攻撃的』になるな。そして誰も不快にさせるな。女性は業績評価で『とげがある』とラベル付けされる確率が男性の11倍であり、性格についてフィードバックを受ける確率は男性より22%高いです。男性へのフィードバックは仕事の内容に焦点を当てる傾向があります」とリーは説明した。

そしてレヴィンのような女性にとって、これはオフィスを出た後も長く影響を及ぼしうる。「私は高圧的な業界の要求を満たすために、そしてチームにエネルギーをもたらす人でいるという自分で作った習慣から、仕事中はずっと演じ続けています。しかしその代償は完全な疲弊です。帰宅した瞬間、沈黙の中に崩れ落ちます。言葉が尽きているのです。演じるために全部使い果たしてしまったから」

職場で堂々と自分らしくいるための7つの実践的方法

職場のシステムが、仕事の場面でどれだけ自分を表現できるかに大きく影響する以上、自分自身の主体性を忘れないことが重要だ。「目標は『戦略的な自分らしさ』です。不完全なシステムを乗り越えながら、自分の真実に根ざし続けることを学ぶことです。これは、いつ発言するか、どのように表現するか、どこにエネルギーを注ぐか、そしてそうしながら自分をどう守るかを理解することを意味します」とリーはアドバイスする。

職場で本当の自分らしさを見つけたい人のために、彼女は仕事中も自分自身とつながり続けるための7つのヒントを共有した。

譲れないものを明確にする

自分の価値観、限界、越えてはならない線を把握する。自分らしさは内面から始まる。自分が明確であれば、意思決定はシンプルになり、消耗も少なくなる。これは、いつ「ノー」と言うべきか、いつ身を引くべきかを知ることでもある。

少なく、しかし明確に話す

自分の立場を過剰に説明したり正当化したりする必要はない。明確で落ち着いたコミュニケーションは権威を築き、誤解を減らす。

気づいたことを、非難せずに指摘する

「まだ話し終えていないのですが」や「元の論点に戻りたいのですが」といったフレーズは、対立をエスカレートさせることなく存在感を取り戻す。

感情労働を当然のように引き受けるのをやめる

他の全員の居心地を管理する責任はあなたにはない。このエネルギーを取り戻すことで、燃え尽きと憤りが軽減される。

小さな同盟を築く

信頼できる同僚が1人いるだけで、職場での経験は変わる。孤立していなければ、自分らしくいることは容易になる。

重要な場面の前に神経系を整える

体が闘争・逃走・凍結・迎合モードに入っていると、人前に出ることはリスクに感じられる。呼吸、グラウンディング、ペーシングなどの身体的アプローチは、神経系を調整し、不安や圧倒された状態から抜け出すのに役立つ。

完全に自分を出す場所と、戦略的になる場所を決める

これは魂を売ることではなく、自己エンパワーメントだ。人生全体を考えたとき、ありのままの自分を見せる相手は実際に何人いるだろうか? ほとんどの人には自分の一部を見せるだけであり、それでまったく問題ない。

ソフィー・ジェーン・リーは、職場やあらゆる場所で堂々と自分らしくいる方法について、3月8日発売の新著『Beyond Palatable: A Manifesto for Unapologetic Women』でさらに詳しく語っている。

forbes.com 原文

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