レアアース(希土類)鉱物について、私たちは何をしているのか。米国のサプライチェーンにとって最重要の特定の鉱物群である「重要鉱物(critical minerals)」についてはどうか。
実のところ、国内市場に必要な元素を供給するという課題に取り組むため、米国の当局者が世界各国の関係者と会合を持つ「閣僚級会合(ministerials)」を含め、さまざまな取り組みが進んでいる。そして私は、米国務省のこちらを見つけた。
「2月2日、トランプ大統領は『プロジェクト・ボルト』を発表した。これは米輸出入銀行(EXIM)の会長が主導する画期的な取り組みであり、重要鉱物の国内戦略備蓄を確立することで、米国の産業政策における前例のない一歩を示すものである」
おそらくこの天然資源の「備蓄」は、サプライチェーン上の鉱物に関して米国に緩衝材をもたらすだろう。しかしそれ以上に、長期的な計画は極めて価値が高い。
Momentum Technologiesと素材産業
ダボスで開催した当社のIIAイベントで、Momentum Technologies(モメンタム・テクノロジーズ)のCEOであるマヘシュ・コンドゥル氏は、Climate Scale-Up(クライメート・スケールアップ)のCEO兼共同創業者シーマ・グプタ氏と、重要鉱物の調達に伴う課題について語り合った。同社はAIを用いて、こうした問題の解決に懸命に取り組んでいる。
「Momentum Technologiesは、私が『現代の産業経済』と呼ぶものの中で重要な役割を担っている。これは本質的に、モビリティ産業、発電、エネルギー利用、輸送、防衛産業から成り立っている」と同氏は述べ、「そして、これらの産業を動かす主要な燃料が重要鉱物だ。重要鉱物は、周期表を見れば分かるように、非常に幅広い材料をカバーしている」と続けた。
問題は、これらの材料を手に入れるには多くの時間と労力を要し、その分コストが高くなることだと同氏は説明した。
「Momentumは、地域の中で経済的にこれらの鉱物を回収できる、極めてユニークな技術ソリューションを提供している。そして、これまであまり有用ではないと考えられていた多様な供給源から回収できる」
共に計画する
「これらすべての組織が協働している」と同氏は語った。「米国と欧州では、政府が資本へのアクセスに関して非常に積極的な役割を担っているのが分かる。それが民間資本へのアクセスを触媒し、政策がここで効果を発揮しつつある」
コンドゥル氏によれば、最近、これらの鉱物の調達最適化について米議会で証言したという。解決策の一部は許認可(permitting)改革にあると同氏は言う。人材の獲得競争もある。
「最近の若者にとって、エンジニアリングやモノづくりはもうクールではない」
それについてはどうだろうか。必要に迫られ、より多くの若手プロフェッショナルがSTEM分野に進んでいるようにも見える。だが、コンドゥル氏の主張の残りの部分は、もっともである。
よりグリーンな未来
「従来、これらの材料は回収される際に大量のエネルギーを消費してきた」とコンドゥル氏は述べた。「天然資源も多く使い、環境に非常に有害な灯油のような中間材も使ってきた。つまりこれはCO2集約的なプロセスだと捉えられる。そして、多くのコミュニティが『それは必要ない』と気づき始めている。そこで私たちが提供するのは、国立研究所(national lab)由来のライセンス技術で、これらの領域すべてでフットプリントを下げられる。経済的フットプリント、天然資源フットプリント、環境フットプリントを下げられるのだ」
AIの活用
では、MomentumはどのようにAIを使っているのか。私は同社のウェブサイトを見たところ、これらの鉱物の調達改善に向けて、Momentumは「AI駆動のプロセス・スペシャリスト(AI-driven process specialists)」を活用していると説明していた。
情報源はあまり詳述していないが、私には次のように聞こえる。
「AI駆動のプロセス・スペシャリスト」とは、AIという存在が示す水晶玉を見ながら判断する「人間が介在する(human in the loop)」形態の人間である可能性もあるし、別の可能性として、広報担当者が自律型AIエージェントを「プロセス・スペシャリスト」と呼んでいるだけかもしれない。最近は、「human(人間)」という言葉が使われない限り、「スペシャリスト」や「カスタマーサービス担当」や「リエゾン(連絡役)」が人間なのかどうか、実際には分からないことが増えている。その点を考えてみてほしい。
より良いリサイクル
消費者向け製品に含まれるこれらの鉱物のリサイクルも、役割を果たす。例えば古い携帯電話から取り出すのは難しいという現実がある一方で、節約効果が見込める。国際エネルギー機関(IEA)は次のように述べている。
「リサイクルの拡大に成功すれば、各国の気候公約を満たすシナリオにおいて、2050年までに新規の採掘活動の必要性を25〜40%低減できる可能性がある。クリーンエネルギー導入の加速には、材料需要を満たすために新規鉱山と製錬施設の大幅な拡大が求められるが、同時に、二次供給がますます価値ある役割を担う機会も生み出す」
したがって、多角的なアプローチが最良の成果をもたらす可能性が高い。
ハードウェアのサプライチェーンを改善しつつ未来へ進み、デジタルツールやAIへの依存をますます高めていく、そのあり方について考えてみたい。



