携帯電話1台で
ヴィスコミは、デジタル化が進む時代において、AIを活用したソリューションやアプリケーションを大規模に展開できる可能性について語った。
「すばらしいことです。……ポイント・オブ・ケア検査(POCT。その場で即座に結果が出る簡易検査)とデジタルプラットフォームを組み合わせた技術の力は驚くべきものがあります。本当に必要なのは、携帯電話1台と電波だけなのです」。
ただしヴィスコミは、こうした取り組みを成功させるには支援体制も必要だと指摘した。
「成功を考えるとき、AIだけでは足りません。ポイント・オブ・ケア検査だけでも足りません。政府が後押しし、現場の人々がそれを理解して実行する意欲を持ち、患者自身も主体的に関わり、なぜこうした簡易診断が必要なのかを理解する──そのすべてが求められるのです」。
予防に154.3円投じるごとに、医療費を約6939円節約できる
その後、ヴィスコミはCarna Healthが行ってきた取り組みの価値について述べた。
「医療経済の観点から見て、これほど投資対効果(ROI)の大きい疾患群はおそらく他にないでしょう。予防に1ドル(約154.3円)投じるごとに、医療費を45ドル(約6939円)節約できるのです」。
その結果、活発な資金調達にもつながっているとヴィスコミは示唆した。
「ここ数年、投資対効果を認めてくれる投資家に恵まれてきました。集団全体の健康管理という公衆衛生分野は、一般に投資家が積極的に資金を投じる領域ではなかったため、困難もありました。しかし、この疾患群は投資家の関心を集めつつある分野だと思います」。
以上は、AIが今日の医療の1つの側面をどのように変えつつあるかを示す好例である。MIT(マサチューセッツ工科大学)をはじめ、他にも多くの取り組みが進行中だ。今後の展開にも注目していきたい。


