職場の常識は常に進化しているが、ここ数年の変化のスピードはとりわけ激しい。ハイブリッド勤務からAI導入まで、組織は仕事の進め方、成果の測り方、そして従業員が真に活躍するために何を必要としているのかを改めて考え直している。
以下では、Forbes Business Councilのメンバーが、衰退しつつある職場トレンドと、それに代わって台頭している実践について詳しく解説する。文化や生産性からテクノロジー、柔軟性に至るまで、リーダーたちがあらゆる要素をどのように再評価しているのかを見ていこう。
1. 公言した価値観から距離を置くこと
企業が自ら掲げた価値観から距離を置く潮流は、2026年に終わりへ向かう。価値観に忠実であり続けた企業は、職務の質の基準が改善し、離職率が下がり、地域社会とのパートナーシップが深まり、売上が伸びることを経験してきた。2026年は、説明責任を伴う「価値観主導の自由企業」を拡大する年である。なぜなら、価値観主導の市場はトレンドではなく標準になるからだ。-Tynesia Boyea-Robinson、CapEQ
2. 形式的な企業文化施策
徐々に姿を消しつつあるトレンドの1つが、成果に結びつかない形式的な企業文化施策だ。従業員が求めているのは、スローガンや抽象的な価値観の追加ではない。明確さ、公正さ、機会、そして実際に意思決定を行うリーダーだ。これから勝ち残る職場は、過度に作り込まれたものではなく、規律があり、成果主義で、実態に即したものになる。-Elliot Ashkenazie、Merchants Cash Partners
3. 意味のない特典が並ぶ、魂のないオフィス
卓球台や無料のコンブチャがあるだけの、魂のないオフィスは淘汰されつつある。特典だけではエンゲージメントの低下は解消しない。多くの従業員が切望しているのは成長、目的意識、そして帰属感だ。それに代わっているのは、リーダーシップと日々の仕事への真のつながりであり、従業員が目標を達成するために必要なスキルとツールを提供することである。-Robin Daniels、Zensai
4. 従来の「出社第一」の働き方モデル
最大の変化は、ハイブリッドワークモデルが受け入れられ、常態化することだろう。企業は物理的空間とデジタル空間を最適化し、コラボレーションと意図的なつながりを促進することに注力するようになる。また、生産性の測り方や定義の仕方にも進化が見られるかもしれない。労働時間よりも、アウトプットの質と測定可能なビジネスインパクトが重視されるようになるだろう。-Arnab Mishra、Xactly
5. 「席に座っていること」を重視する発想
私たちは、「席に座っていること」を重視する発想からの転換を目の当たりにしている。そこでは、オンラインにいる時間の長さ、オフィスに一番乗りか最後までいるか、予定表が会議で埋まっているかといった典型的な事柄に焦点を当て、存在によってコミットメントが測られていた。いま職場は、成果に基づく運営へと移行しつつある。会議は減り、期待と目標は明確になり、たとえ常に見えていなくても従業員を信頼するマネージャーが増えている。-Justin Kulovsek、JAK Digital
6. 過度にオーケストレーションされたワークフロー
過度にオーケストレーションされたワークフローは終わりへ向かっており、それがAIによっていま露呈しつつある「仕事設計の負債」を生み出した。これらのワークフローは、無許可のAI利用に置き換わるだろう。企業がネットワーク上のAIツールをロックダウンするにつれ、その多くは個人デバイス上で行われるようになる。企業は、これらのツールを安全に活用する方法を十分な速さで見いだせていない。しかし、AIツールがもたらす生産性向上は、無視できないほど大きい。-Trista Walker、Baldwin & Obenauf, Inc.(BNO)
7. 「原則ライブ会議」という前提
非同期の働き方が、原則ライブ会議に取って代わりつつある。人々はいま、自分のスケジュールに合わせて資料を確認し、意見を共有し、意思決定を行えるようになっている。通常はライブの場ではなく、文章で行われる。短いブリーフが回覧され、文書やスレッドにコメントが加えられ、インプットを統合して意思決定する明確なオーナーが割り当てられる。その結果、予定表が塞がる時間が減り、誰かが会議室に入る前に思考が進むようになる。-Alan Brew、BrandingBusiness
8. 見せかけの多忙と常時対応
廃れつつあるトレンドの1つは、見せかけの労働だ。忙しさ、可視性、常時対応を価値のシグナルとして示すことを指す。スケールせず非効率を隠してしまうため、重要性を失いつつある。代わりに広がっているのは成果主導の仕事であり、存在よりも、インパクト、責任の明確さ、実行の質が重視される。-Francesco Caterina、MoliseFood Group
9. 出社回帰をめぐる議論
在宅勤務か出社回帰かをめぐる議論は、2025年の最終四半期に向かう頃に終息し、2026年にはおそらく話題にすらならないだろう。その理由は、企業によって解決されたからではなく、従業員がどこで、どのように働きたいかを自分で決めたからだ。仕事の世界はいまハイブリッドであり、それが近いうちに変わる可能性は低い。-Tim Ringel、Meet The People
10. 生産性を人間の生物学から切り離すこと
生産性は人間の生物学と切り離されたものだという考えは、終わりへ向かっている。バーンアウトは、回復の時間なしにさらに努力を重ねることの限界を示している。代わりに台頭しているのは、仕事をより生物学的に捉える見方であり、睡眠、エネルギー、ストレス調整、持続可能なパフォーマンスが、アウトプットと同じくらい重要だとされる。-Mick Safron、Biohackers World
11. 外的な成功指標で人を定義すること
肩書きのような外的な成功指標で人を定義することは、かつては権威や到達を示すものだった。しかし変化の速い環境では、それは目的ではなく地位を説明するにすぎない。それに代わるのは、天職への回帰と、より深い問いである。「私は誰で、なぜここで重要なのか」。人々は、意味、誠実さ、配慮が一体として保たれる、仕事の魂に自らを結び付けている。-Leonie H. Mattison, MBA, EdD、The Thread Movement
12. 存在で仕事を測ること
インパクトではなく存在によって仕事を測るという考えは、ゆっくりと死につつある。しかも、それでよい。会議、オフィス、オンラインに費やした時間は、価値創出とイコールではない。将来、組織は疲弊ではなく、成果、創造性、健康、持続可能なパフォーマンスを測るようになるだろう。バーンアウト文化は野心のしるしではなく、貧弱なリーダーシップと不適切なシステム設計のしるしである。-Sylvia Dr. Paulig、PAULIG EYE & HEALTH
13. 後追いのバーンアウト対策
企業は、後追いのバーンアウト対策から移行しつつある。例えば、瞑想アプリの利用や、バーンアウトの症状が出た後にメンタルヘルス休暇を付与するような施策だ。代わりに動き始めているのは、上流のパターン認識を取り入れることだ。慢性的な過剰コミットメントといった早期警戒サインを追跡し、測定可能な行動を伴う特定の能力をトレーニングし、そしてバーンアウトにつながりやすい思考パターンや行動について問う。ROIは回復ではなく予防にある。-Karolina Komarnicka、Space of mind
14. 「ハッスル文化」
見せかけの「ハッスル文化」という仮面が、ついにひび割れ始めた。急速に薄れつつあるのは、持続可能な実行よりも、目に見える疲弊を報いることだ。代わりに台頭しているのは、キャパシティ主導のリーダーシップと成果主導の働き方である。変化は微妙だが巨大だ。人々はもはや忙しさを追い求めていない。バーンアウトなしのインパクトを追い求めている。賢い企業も同様だ。-Dr. Christina Carter、Her Practice®
15. 従来の勤務スケジュール
厳格な9時から5時の勤務は、徐々に薄れつつある。人々が求めているのは、給与だけではなく柔軟性と自由だ。それに代わるのは、時間よりも成果が重視される成果ベースの仕事であり、より幸せなチームを築き、より良いパフォーマンスを引き出す。-Becca Brazil、Only 1 Media PR
16. 空虚なAI活用
AIは次々に業界を席巻しており、止まることはない。しかし各業界は、真の便益がどこにあり、どこで無駄が生じるのかを学びつつある。AIは改善と同時に多くの無駄も生む。AI自体が廃れるわけではないが、空虚で曖昧な適用は終わりへ向かっている。加えて、人と人とのつながりの価値は日々いっそう高まっている。間違いなく、2026年には修正が起きるだろう。-Sami Nomair、Citiguard Inc.
17. 「2つ選べ」という命題
終わりへ向かっているのは、「2つ選べ」という命題だ。「速い、正しい、安い」。AIと自動化によって、反復可能な仕事の時間とコストは崩壊しつつある。ゆえに本当の差別化要因は「正しい」だ。代わりに求められるのは、リーダーが明確な基準を設定し、テクノロジーを実行に用い、人間が判断と批判的思考を用いて戦略的な仕事を担い、それぞれの状況において「正しい」、あるいはおそらく最善の、ビジネスソリューションを構築することだ。-Shannon Brooks、Shannon Brooks Consulting
18. 人間の創造性が主要な仕事エンジンであること
仕事の主要エンジンとしての人間の創造性は薄れつつある。いまやAIがスピード、スケール、アウトプットを握っている。人間の創造性に代わるものは、センス、判断、そして抑制だ。このシナリオでは、人間はアイデア工場であることをやめ、フィルターになる。AIがチャネルを動かし、人間が何を生かし、何を捨て、何が本当に重要なのかを決める。-Sahil Gandhi、Blushush
19. 時間が価値に等しいという考え
時間が価値に等しいという考えは、終わりへ向かっている。存在、時間、可視性は、インパクトの拙い代理指標である。代わりに広がっているのは成果ベースの仕事であり、どこで、どれだけ働いたかよりも、明確さ、オーナーシップ、結果が重視される。最良の企業は、活動ではなく貢献を測ることを学びつつある。-Angel Rivera、Vadera Capital Corporation
20. 現状維持
急速に薄れつつある職場トレンドは、静的な役割や固定モデルから断続的な変化に至るまで、現状維持である。AIと経済の変動性によって形作られる世界では、変革は継続的でなければならない。未来が味方するのは、小規模で部門横断のチームが、戦略実行の連続的なサイクルを通じて成果にオーナーシップを持つ形だ。変化への抵抗はもはや中立ではない。戦略上のリスクである。-Sas Mukherjee、Catalyst Solutions



