リーダーシップ

2026.02.22 17:37

勢いを保つ:旧正月から学ぶリーダーシップの教訓

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2月が本格的に始まった。そこには、新たな旧暦の年を迎える時期が重なり、1月に入る際に自分自身、チーム、組織に対してどのようなインパクトをもたらしたいと考えていたのか、立ち止まって振り返るきっかけがある。

新年を迎える一般的なアプローチは、ときに個人や組織を失敗に導きやすい。成果に強く焦点を当てて高すぎる目標を掲げる一方で、成功に必要な、より小さくしかし土台となるエネルギー配分や優先順位づけの変化が伴わないと、効果的で意味のある変化が起こる確率は下がる。さらに、新年が始まる前から目標が設定されることも多く、新たな課題、変化する関係性、想定外の状況を踏まえて目標を設計する機会が奪われがちだ。多くの人にとって、気分が沈みやすい1月は新しい習慣を始めるのに最適な時期とは限らない。

だからこそ、火馬の年の到来を、自分が見たい変化を起こす契機として活用してほしい。まずは自分自身から始め、幸せで健康的で生産的でいられるようにするのだ。成功を後押しするために、どんな新しい習慣を取り入れたいのか。どれは重要度が低く、今は優先度を下げられるのか。それは自分や同僚、そしてビジネスにどのような影響を与えるのか。

旧正月の伝統から学ぶ

興味深いことに、多くの旧正月の伝統では、目標を宣言することよりも、本物の変化が根づく条件を整えることに重きが置かれる。家は清められ、飾りつけられ、借りは清算され、さまざまな準備が進められる。その結果はどうか。意図的であれ不可避であれ、これからやってくる変化のために、物理的にも精神的にもスペースが意識的に確保される。新年は、やる気をかき立てるスタートラインというより、迎え入れ、しかるべき備えをして受け止めるべきものの到来である。この考え方は、意味のある変化は意志だけでは生まれにくく、それを受け取る準備のできた環境、マインドセット、エネルギーが必要だと認めている。企業やチームにとって教訓は明快だ。意味のある進展は新たな目標設定だけで始まるのではなく、その目標を達成できる条件をつくることから始まる。

個人にとっても同様に、スペースと適切な条件を整える好機である。自分が何を成し遂げたいかだけでなく、何が障壁になっているのかを問い直すことが、状況を一変させることがある。変化を起こし、それを定着させるには何を信じる必要があるのか。成功が後からついてくるために、何が満たされていなければならないのか。小さな目標でも大きな目標でも、持続的な変化へと自分を導く最初の一歩は何か。

立ち止まり、振り返り、再評価する時間を取ることは、個人にとっても組織にとっても欠かせない。旧正月は、個人として、また協働する存在として、目標達成のための準備が十分でなかった領域を内省し、認識するための絶好の機会を与えてくれる。

火馬がもたらすエネルギー

この旧正月は「火馬」の年であり、ふさわしいことに始まりと終わりはいずれも「リング・オブ・ファイア(金環)」の日食で示される。馬の年は、エネルギー、動き、決断力ある行動の象徴を想起させる。中国占星術において、馬は静かな内省の象徴ではなく、前進の勢いと活発な変化を体現する。馬は理想的な比喩として、意味のある組織的・個人的な変化は、望んだから、あるいは目標を特定したからといって自動的に訪れるのではなく、進展の条件が整い、必要な行動が取られたときに訪れるのだと私たちに思い起こさせる。馬のように、勢いを生み、保つには、明確な道筋、意図、そしてエネルギーが必要である。このプロセスでは、育み、創り出すエネルギーがとりわけ重要だ。

エネルギーは、整合性(alignment)と当事者意識(ownership)と並び、高パフォーマンス文化を支える基盤であり不可欠な柱の1つである。適切なエネルギー、ペース、レジリエンスがなければ、チームやビジネスは成果を出し切れない。それは個人の幸福と生産性においても大きな要因となる。個人のエネルギーは、意味ある貢献を行うための余白とキャパシティを持つことから生まれる。明確な目標と、正しく向けられたエネルギーがあれば、個人はインパクトを最大化できるだけでなく、その結果としてさらに燃料を得て、真の勢いを生み出せる。

優先順位づけでポテンシャルを最大化する

優先順位づけは効果的な目標設定の核心にあり、多くのクライアントが最も強く問題意識を抱いている点でもある。動的で容赦ない優先順位づけの文化を育てることは、エネルギーが適切な場所へ流れることを確実にし、ポテンシャルを最大化する。自分に問いかけてほしい。どのタスクが、自分たちに必要な成果を生んでいるのか。どの活動が、進展を生まずにエネルギーだけを消費しているのか。より重要な取り組みに力を最大限振り向けるために、どの領域を犠牲にできるのか。優先順位づけを理解できるかどうかは、個人としても、リーダーとしても、同僚としても、無駄な努力と意味のある進展を分ける決定的な違いになり得る。

小さくても重要なシフトを起こす

意図は、マインドセットと日々のやり取りにおける小さくも意図的なシフトによって現実へと変えられる。最近のカルチャービルダーズのセッションで、大手投資会社のCEOが、同僚に「クリスマスは何をしていたの?」と尋ねる代わりに、「これからの1年で一番楽しみにしていることは?」と尋ねたと話してくれた。狙いは、より大きなエネルギーを生み出すことだった。微細な変化だが、人々のエネルギーを整え、将来の優先事項、共有された勢い、そしてこれからの仕事へと再び向け直す効果があった。

では、エネルギーを研ぎ澄まし、目標に優先順位をつけ、火馬の年を意味のある進展に満ちた1年にするために何ができるのか。試せることをいくつか挙げよう。

1. チームや同僚と「馬の年」になぞらえた会話をする。 個人の目標と仕事の目標について尋ね、人々がどの領域でワクワクし、達成と成長に向けてエネルギーを感じているのかを把握する。その領域で決断力ある行動を取れるよう、自分自身とチームを後押しし、勢いをつくることに期待を高めていく。

2. 今年の個人的・職業的目標を見直し、優先順位づけに時間を取る。 強い意図がありながら、まだ現実になっていないのはどこか。達成したいことを細かく分解し、もう一度取り組む。いくつかの目標から離れることを意味するとしても、エネルギーの向け先を変えることが、自分にとって最も重要なことを達成するためにまさに必要な場合があると認識するべきだ。いったん勢いがつけば、新たな目標に挑むことも、いったん脇に置いた目標を拾い直すこともできる。私が自分に課すお気に入りの問いは「自分にはできる。しかし、本当にやる必要があるのか。エネルギーは別の場所に使ったほうがよいのではないか」である。

3. 意図をリズム、ルーティン、勢いへと変える。 向かう方向に心が躍り、取るべきステップを適切に優先順位づけできたなら、残るは実行するだけだ。日々の仕事の中で優先事項を尊重するシンプルな習慣とルーティンをつくる。意図を持って繰り返される行動こそが、エネルギーと文化の変化を駆動する。

forbes.com 原文

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