事業継承

2026.02.26 07:15

日本の社長は高齢者ばかり 35年連続で最高齢を更新する異常事態

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日本企業のトップを走る経営層の高齢化が、じわりじわりと進んでいる。帝国データバンクの最新調査によると、2025年末時点における全国の社長の平均年齢は60.8歳に達した。1990年の調査開始以来、35年連続で過去最高を更新し続けている。年代別の構成比を見ても、50代以上の社長が全体の8割以上(82.6%)を占めており、経営の舵取りを担う層が確実に高齢層へとシフトしている実態が浮き彫りとなった。

一方で、高齢化一辺倒ではない変化もある。社長が交代する際の年齢、いわゆる「バトンタッチの時期」は68.5歳で、前年比0.1歳減とわずかながら低下傾向にある。早期の事業承継を意識する動きは、先行きの不透明な経済環境や急速に進むデジタル化(DX)への対応を見据え、より長期的な視点で経営を担える次世代へ早めに権限を委譲しようとする戦略的な判断があるのかもしれない。

また、経営者の高齢化を単なる課題としてだけでなく、好材料として捉える動きも出始めている。その象徴が「シニア起業」の増加だ。長年培ってきた専門知識や人脈、資金力を背景に、自ら新たな事業を立ち上げるケースが目立っている。これは、豊富な経験を持つ人材が再び市場のプレイヤーとして活躍する「知見の再構築」とも言える現象であり、日本経済に新たな活力を与える可能性を秘めている。

今後の日本企業には、後継者不在によるリスクを回避するための早期かつ計画的な事業承継と、ベテラン層が持つ高度な知見を新たな形で社会に還元する仕組み作りが同時に求められる。経験に裏打ちされた安定感と、次世代がもたらす革新性をいかに融合させるかが、持続可能な成長を実現するための鍵となるだろう。

出典:帝国データバンク「全国『社長年齢』分析調査(2025年)」より

文=飯島範久

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