数字が明かす、別の物語
マイクロソフトの直近の決算では、Microsoft Cloudの四半期売上高が初めて500億ドル(約7.8兆円。1ドル=155円換算)を超え、前年同期比で26%増となった。企業がデータを保存・処理するクラウド基盤事業であるAzureは39%伸びた。四半期の総売上高は813億ドル(約12.6兆円)に達した。サティア・ナデラCEOは投資家に対し、同社はいまだ「AI普及の初期段階」にあり、マイクロソフトはすでに「当社の最大級の事業のいくつかを上回る規模」のAIビジネスを築いたと語った。
オラクルも同様の勢いを見せている。同社は、総残存履行義務(Total Remaining Performance Obligations。すでに契約したが未履行の契約価値)が5230億ドル(約81.1兆円)に達し、前年から438%増えたと報告した。クラウド・インフラの売上高は68%伸びた。メタやエヌビディアなど主要顧客からの新たなコミットメントにより、受注残は1四半期で680億ドル(約10.5兆円)増えた。
これらは、現在破壊されつつある企業の数字ではない。AIがその上に構築される土台になりつつある企業の数字だ。
これがあなたの財布に意味すること
ソフトウェアの再編はウォール街の外でも重要である。日々の仕事で使うツールそのものに直結するからだ。Outlook、Teams、Excel、あるいはMicrosoft 365の製品を使っているなら、あなたの勤務先はほぼ確実に、マイクロソフトと複数年契約で結び付いている。そうした契約には、Microsoft 365 CopilotのようなAI機能が次々に含まれつつある。Copilotは現在、4億5000万人以上の商用Microsoft 365ユーザーという基盤(母数)がある中で、そのうち1500万の有料シート(ライセンス契約)を獲得している。
働く側にとっての意味合いは実務的だ。あなたの仕事を変えるAIツールは、独立した代替サービスとして登場するよりも、すでに使っているソフトウェアの内部に現れる可能性が高い。確定拠出年金にあたる401(k)や証券口座でテック株を保有している人にとっては、重要なデータ基盤を握るソフトウェア企業と、単純な作業向けの汎用ツールを売る企業を区別することが、現在このセクターで最も重要な分水嶺となっている。


