AI

2026.02.23 09:00

AnthropicとOpenAIが過去最高額のロビー活動費を投入、ワシントンで自社に有利なルール作りへ

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膨大な資金を要するデータセンター建設のため、優遇措置や認可の迅速化を訴える

次に建設拡大の問題がある。フロンティアAIの開発と展開には巨大なデータセンターが必要だ。Anthropic、OpenAI、そしてグーグルやメタといった既存大手は、処理能力の拡大を競っている。各社は、許認可手続きの複雑さ、電力供給のボトルネック、建設遅延、地元の反対がプロジェクトを遅らせていると主張する。JLLによれば、2025年のデータセンター開発の半数超が少なくとも3カ月遅延した。

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OpenAIが約束する約217兆円の投資は、政府による強力な支援が前提

財務上のコミットメントは莫大だ。OpenAIは今後8年間でデータセンターに約1兆4000億ドル(約217兆円)を投じることを約束しているが、その全額をどう賄うのかの計画は示されていないようだ。

両社はそれに合わせてロビー活動を行っている。Anthropicは、データセンター・インフラの連邦許認可を加速することを狙った2025年7月の大統領令についてロビー活動を行った。OpenAIは2025年10月の書簡で、税額控除などの優遇措置や各種補助金に加え、エネルギーおよび環境に関する許認可の迅速化を求め、施設をより早く稼働させる必要があると訴えた。Anthropicも同様の政策を支持しており、最近では、新たなデータセンターを送電網に接続することに伴う電力コストを負担すると発表した。

連邦政策を州法より優先させ、州が独自の規制を通すことをほぼ不可能に

これらの開示で言及されている他の法案・論点には、AI技術をすべての米国人が利用できるようにすることを目指すCREATE AI Act(クリエイトAI法案)、AIによる選挙介入、著作権、「連邦政府で『woke AI』(ウォークAI)を防ぐ」大統領令、AIのモラトリアム(一定期間の停止)、より広範なAIの安全性・ガバナンス規制が含まれる。ただし、まだ初期段階である。米国でAIの開発と展開の進路を意味のある形で変える立法は、いまだ成立していない。重要な立法の1つ──連邦のAI政策を州法より優先させ、州が独自にAI規制を通すことをほぼ不可能にするもの──は、議会で成立した法律ではなく、2025年12月の大統領令という形に落ち着いた。

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ワシントンはAI政策で遅れている上、政策立案者はテック企業からの情報に依存

起業家の寄付を集める非営利団体Founders Pledgeで調査担当マネジング・ディレクターを務めるマット・ラーナーは、「ワシントンはAI政策でひどく遅れており、政策立案者は、新興技術の進路と影響について、テック企業からの情報に危険なほど依存させられています」と語る。同団体は複数のAI政策・安全性系の非営利団体に慈善寄付を振り向けてきた(同団体自身はロビー活動は行わない)。

AI規制は中間選挙の争点として固まりつつあり、候補者や資金力のある慈善団体が自らの立場を訴えるために数百万ドル(数億円)を投じている。だが当面、この分野は作り手のものだ。AIモデルの仕様を書いている企業が、ワシントンで最大の小切手も切っている──スピードは愛国心、規模は安全保障であり、そして自社の商業的成功は国にとって良いことだと主張しながら。議会がそれを覆すまでは、彼らは規制の対象であると同時に、それを形作る最大の声であり続ける。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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