マーケティング

2026.02.22 08:41

B2Bマーケティングで売上と評判を損なう、最も避けるべき過ち

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企業は自社のリーダーシップが可視化されることを望む。ブランドを代表する声の層を厚くしたいとも考える。しかしB2Bテクノロジー企業のエグゼクティブ・コミュニケーション・プログラムを18年にわたり構築してきたなかで、私は数百万ドルがある根本的な混同によって浪費されるのを見てきた。エグゼクティブ・プレゼンスとソートリーダーシップの違いである。

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ここを取り違えると、予算を無駄にするだけでは済まない。買い手やジャーナリストに無視される空疎で散漫なコンテンツが生まれる。そして買い手がGoogleの前にChatGPTに頼ることも珍しくない世界では、その散漫なコンテンツのせいで、最も重要な局面であなたのエグゼクティブが「見つからない」状態になる。

偶発的なスポークスパーソン問題

先月、私は創業50年以上の成功企業の経営陣と席を共にした。競合は同社の「古さ」をからかう。彼らは「クールで進歩的」に見せたがっていた。若い競合のCEOがLinkedInで巨大なフォロワーを築いたのを見て、同じような勢いが欲しかったのだ。

だが実際に彼らが持っていたのは、ソーシャルメディアで天性の力を発揮するエグゼクティブが1人いるという事実だった。彼は設計によってではなく、偶然に会社で最も声の大きい存在になっていた。彼の可視性を会社のポジショニングにつなげる戦略はなかった。これは企業がスケールするにつれて、ほぼ例外なく直面するパターンである。誰かが偶然に目立つ存在になる。経営陣はそれを再現したがる。ほかのエグゼクティブにLinkedInで「もっと積極的に」活動するよう促す。結果として生まれるのは、相乗効果を生まない、散らばった個人ブランドだ。

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エグゼクティブ・プレゼンスとは、リーダーシップに対する認知と可視性に関わるものだ。洗練されたLinkedInプロフィール、会社の節目を祝う投稿を時折行うこと、業界イベントに顔を出すことなどが含まれる。大半のエグゼクティブは、エグゼクティブ・プレゼンスを維持できるし、維持すべきである。

ソートリーダーシップは、それとはまったく別物だ。本物のソートリーダーは、すでにその分野で引く手あまたの専門家である。独自の視点を持ち、ときに逆張りでありながら、常に深い経験に裏打ちされている。そして重要なのは、その役割に自ら踏み込もうという意思があることだ。営業が彼らを案件に引っ張り出すとき、あなたは本物のソートリーダーを得ている。売り込みのためではなく、見込み客が知るべきことに対して、彼らが真正面から価値を加えられるからである。

メディアリレーションズ、署名記事、登壇機会、独自調査を通じて、ソートリーダーの立ち位置を増幅させることはできる。しかし専門性そのものや、その役割を担いたいという欲求は「作り出す」ことができない。

企業が視点やコミットメントを欠くエグゼクティブにソートリーダーシップを強いると、うまくいかない。コンテンツは空虚に響く。メディアの機会は枯れていく。

この規律の重要性は昔から変わらない。散漫なエグゼクティブの発信は、常にブランドを希薄化させ、買い手を混乱させ、資源を浪費してきた。違いがあるとすれば、いまはその悪影響がより速く表れ、元に戻すのがより難しい点である。

B2Bの購買ジャーニーは根本的に変わった。ガートナーは予測する。2028年までにB2B購買の90%がAIエージェントによって仲介されるようになると。フォレスターの2025年「Buyers' Journey Survey」によると、購買に影響を与える人の61%が、購買を支援するために自社のプライベートな生成AIエンジンをすでに使用している、または使用する予定だと回答している。

買い手がChatGPTやPerplexityにベンダー推薦を求めるとき、答えはあなたのウェブサイトから出てくるわけではない。第三者ソース、すなわち報道での露出、署名記事、カンファレンスでの登壇、アナリストによる言及から出てくる。AIプラットフォームが「信頼できるのは誰か」を判断するためにインデックスするシグナルが、そこにある。

散漫なエグゼクティブ・コンテンツは、人間にも機械にも読み取れるシグナルを生まない。だがエグゼクティブがマッピングされた専門領域について一貫して語り、その専門性が第三者ソースにも現れるようになると、買い手が意思決定を行う場所のどこにいても、あなたは見つけられる存在になる。

これはM&Aの局面ではさらに重要になる。エグゼクティブの層とその可視性は、バリュエーションのストーリーの一部となる。買い手や投資家が見たいのは、分断された声ではなく、認知された権威を備えたリーダーシップチームである。

投資の前に問うべき3つの質問

エグゼクティブの可視性に資金を投じる前に、次の3つの質問に答えよ。

1. チームの中で、すでに認知された専門家は誰か。あるいは、専門家になれるだけの深みを持つのは誰か。 すでに業界の議論に引き込まれているエグゼクティブ、同僚や顧客が意見を求める人物を探せ。

2. 彼らには、聞く価値のある本物の視点があるか。 最良のソートリーダーは、企業の名代というより宣教師に近い。次に来るものと、それを実現するために「誰がその場にいるべきか」に集中している。あるエグゼクティブのコンテンツが、その役職なら誰が言っても同じに聞こえるなら、それはソートリーダーシップではなくエグゼクティブ・プレゼンスである。

3. 一貫して発信し続ける覚悟があるか。 ソートリーダーシップは副業扱いにできない。企業は、個人が成長するための時間とリソースを提供しなければならない。それは意図的で、公式な役割の一部である必要があり、片手間に押し込むものではない。

行動に移す

出発点としては、ここが良い。

• 人ではなく、ポジショニングから始めよ。 会社は何で知られているのか。どの専門性を自社のものとして確立したいのか。これが、エグゼクティブが語るべきトピックを定義するのであって、その逆ではない。

• 専門性をエグゼクティブに割り当てよ。 ポジショニングの中核となる3〜5のトピックが分かったら、それぞれについて真の権威を持つエグゼクティブが誰かを特定する。

• 投資レベルを差別化せよ。 本物のソートリーダーには、メディアリレーションズ、署名記事、講演活動といった全面的な増幅を与える。強い専門性はあるが意欲が相対的に低いエグゼクティブには、より軽い関与にとどめる。それ以外の人はエグゼクティブ・プレゼンスを維持する。

• 声を接続せよ。 すべてのエグゼクティブの発信は、会社の中核ポジショニングを補強すべきだ。集合的なアウトプットが首尾一貫したストーリーを語るよう、誰かが担保しなければならない。

多くの経営チームは、可視性に関する期待値について明確に話し合ったことがない。エグゼクティブは、自分がソートリーダーであるべきなのか、それとも単にプレゼンスを保てばよいのか分からない。このアイデンティティ危機を避けるために行動せよ。マーケティングリーダーは、率直な対話を促すべきである。エグゼクティブ・プレゼンスとソートリーダーシップの違いはこれだ。私たちが何で知られているかはこれだ。誰がどのトピックを担い、誰が重要なステークホルダーに向き合うのかはこれだ。

ソートリーダーシップは、正しい肩書きではなく、正しい人物から始まる。問うべきは、エグゼクティブが可視的であるべきかどうかではない。買い手があなたのウェブサイトを訪れることなく意思決定を下すとき、その可視性をパイプラインへと転換する戦略を築き、適切な声を特定できているかどうかである。それがなければ、混乱が残るだけだ。

forbes.com 原文

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