キャリア

2026.02.22 08:36

自分のキャリアは自分で導く──セルフリーダーシップという最強のスキル

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キャリアの基盤は劇的に変化している。1つの会社で生涯働くことは稀になり、雇用の安定はもはや忠誠心とは無関係となり、従来の出世の階段は姿を消しつつある。この変化は雇用主と従業員の双方が実感している。Randstadの「Workmonitor 2026」レポートによれば、雇用主の72%が直線的なキャリアパスは時代遅れだと感じており、プロフェッショナルの28%がポートフォリオ型キャリア(複数の仕事を組み合わせるキャリア形態)を望んでいる。

適応力が不可欠な今、磨くべき最も価値の高いスキルは、技術的専門性ではない。それはセルフリーダーシップである。役割、職位、業界にかかわらず、すでにあなたが担っているリーダーのポジションが1つある。自分のキャリアのCEOだ。経営者のマインドセットと戦略を体現することで、意図とビジョン、そして権限をもってキャリアを導けるようになる。キャリアを「自分に起きること」から、「自覚的かつ意図的に設計するもの」へと変えるのだ。

自分のキャリアのCEOになるための7つの鍵

では、自分の職業人生を自らリードするために、具体的にどのようなステップを踏めばよいのだろうか。ここでは、重要だと考える7つの要素を紹介する。

1. ミッション、ビジョン、価値観を定義する

ミッションは目的を捉えるものだ。なぜそれを行うのか、長期的に何を達成したいのかを示す。中核となる価値観は、キャリアと人生の曲がりくねった道を進む際にも、このビジョンと整合し続けるための羅針盤となる。追求する仕事、共に働くマネジャー、さらには関わる業界や企業が、自分の原則と一致しているかを確かめる助けにもなる。

これらを定義するには、キャリアで何を成し遂げたいのか、どのようなインパクトを生みたいのか、成功とはどのような状態かを自問するとよい。これらの問いは、キャリアをどう導き、仕事に関する重要な意思決定をどう行うか、その基盤を形づくるうえで欠かせない第一歩である。

2. パーソナルブランドを磨く

意識的に作り上げたかどうかにかかわらず、あなたにはすでにプロフェッショナルとしてのブランドがある。あらゆるやり取り、プロジェクト、登壇、オンライン投稿が、他者があなたをどう捉えるかに影響する。強いパーソナルブランドは信頼性のシグナルとなり、成長と拡張に向けた機会を継続的に生み出し得る。

セルフリーダーシップには、自分のイメージをどう築き、どう伸ばすかに意図を持つことが求められる。ブランドは仕事の成果と、その見せ方の両方で形づくられる。プロとしての価値に加え、目標、ミッション、ビジョンを正確に反映するストーリーになっているかを確認したい。自分のブランドについて考えるのが初めてなら、次のように自問してみよう。

・人々は私のことを仕事上でどのように思い浮かべるだろうか?

・私がいない場所で、人々は私をどう説明するだろうか?

・職場やLinkedInで誰かが私の名前を目にしたとき、その人は私について十分知っており、価値を提供する人物だと認識するだろうか?

3. 自分の「取締役会」に報告する

CEOは単独で動かない。通常、支援と助言を与える取締役会がある。あなたにも、キャリアを通じて支え、挑みを与え、刺激をくれる信頼できる助言者が必要だ。メンターやスポンサー以上に、あなたの「個人取締役会」の各メンバーは、それぞれ異なる役割を担い、バランスをもたらすべきである。多様な視点と経験を提供してくれる、異なる領域の人々を見極めよう。同時に、あなたにエネルギーを与え、引き上げ、背中を押してくれる人たちでもあることが望ましい。

4. ソーシャルキャピタルをマネジメントする

「人脈こそが財産」という言葉を聞いたことがあるだろう。ソーシャルキャピタル、すなわち築き上げたプロフェッショナルな関係性とつながりのネットワークは、最大級の資産の1つである。人脈を銀行口座にたとえてみよう。空の口座からは引き出せないのだから、継続的に預け入れを行う必要がある。

同様に、自分が貢献していないネットワークに何かを求めることはできない。イベントに参加し、有意義なつながりを築くといった行動を通じて、プロフェッショナルコミュニティへの貢献を始めよう。出会った後は、会話から得た具体的な学びを盛り込んだ心のこもったメッセージや、LinkedInのリクエストでフォローアップする。誰かが新たな機会やつながりを求めているなら、自分のネットワークをどう活用して助けられるかを考えよう。見返りを求めない小さな一歩からすべては始まる。

5. 自分への戦略的投資を行う

あなたの可能性は、組織が提供できる成長や能力開発の範囲に限定されるべきではない。カンファレンスへの参加、資格取得、コーチの雇用、新たな専門教育プログラムの開始など、新しいスキルと知識を築く機会を能動的に探していこう。

それらを「費用」ではなく、専門性を育て、自信を高め、機会を広げる長期投資として捉えることだ。最も成功しているプロフェッショナルは、雇用主が成長を取り仕切ってくれるのを待つことが、もはや有効な戦略ではないと理解している。だからこそ、生涯学習者となり、主体的にスキルと機動力を積み上げるのである。

6. 自分の「不動産価値」を最大化する

オンラインの職務プロフィール、デジタルポートフォリオ、レジュメといったあなたの「プロフェッショナル不動産」が、市場において価値を示し、価値が高まっていく状態を確保したい。価値、スキル、知識、経験を示すあらゆる機会を活用することだ。定期的に自分のプレゼンスを見直し更新し、最新であり、提供できるものを最もよく反映している状態を保つことを習慣にしよう。

7. 財務面の見取り図を理解する

CEOが成功と収益性を測る指標を1つに絞ることは稀で、全体像を見る。キャリアの軌道を考えるときや人事評価の面談に臨むときは、基本給だけにとらわれないことだ。リソース、成長、能力開発を得るために、付加価値となる別の機会も活用したい。次のように自問して準備しよう。

・どのようなトレーニングがスキル向上につながるだろうか?

・どのカンファレンスや会員資格が成長と能力開発に寄与するだろうか?

・学びにつながるストレッチアサインメント(挑戦的な任務)はあるだろうか?

また、感情的報酬(エモーショナルサラリー)も自分でコントロールできることを忘れてはならない。これは仕事から得られる内発的な充足感であり、物質的報酬を超えた意味、目的、貢献の感覚である。キャリアの要素が自分にとってどんな価値を持つのか、内省が必要となる。たとえば、リモートで働けること、学びの多い非常に知見のあるリーダーと協働できること、深く共鳴するミッションを掲げる組織に参画することなどが、感情的報酬になり得る。

これまで担うあらゆる役割の中で、最も重要なのは自分のキャリアのCEOであることだ。真実として、あなたの成長、幸福、成功に、あなた自身ほど投資する人はいない。自分のプロとしての旅路を自ら導くことで、許可や機会を待つのをやめられる。その代わりに、意図をもって機会をつくり出す。それは、自分のためにできる最も強力で戦略的な行動の1つである。

forbes.com 原文

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