確認されているケースの大半では、これらの突起物は車両の外面から30~60cm程度突き出している。即席で改造されたとみられる一部の例では、スタンドオフ距離(爆発位置と車両本体外面との間隔)を長くするためにトゲがもっと伸ばされている。さらに、大型のキャノピー(覆い)が追加されることもあり、これは爆撃ドローンが投下する弾薬に対するスタンドオフ距離の確保が意図されている。
ヤマアラシ風防護は、FPV自爆ドローンと比較的小型の爆撃ドローンの両方に対して有効性を示している。FPV自爆ドローンが接近すると、まず突起物に衝突する可能性が高く、その結果、起爆のタイミングが早くなったり、機体が分解したり、あるいは制御を失ったりする。爆撃ドローンの場合も、投下された弾薬が車両本体ではなく突起物や覆いに当たり、車両からより離れた位置で爆発することになるため、やはり弾頭の効果が弱められる。
こうしたヤマアラシ型追加装甲は普通、現場で製作されている。兵士らは鋼鉄製ケーブルや鉄筋、ワイヤーなどの束を、すでに車両に装着されているコープケージや対ドローン用メッシュに溶接して取り付ける。材料は安価で入手しやすいので、手っ取り早い試作や現地でのバリエーションが可能になっている。これらの突起物は現地の地形や植生に溶け込むように配置・着色されることが多い。
ヤマアラシ装甲は、ウクライナ東部ドネツク州や南部ザポリージャ州で運用されているロシア軍のT-72戦車やT-90戦車などで目撃されている。最近では、ロシア軍の無人車両にもこのタイプの防護が施されていることが映像で確認されている。
📸: Mangals/Grills also appeared on Russian UGVs —
— Drone Wars (@Drone_Wars_) February 7, 2026
A Russian ground drone is outfitted with the distinctive “hedgehog”-style armor seen on certain tanks-the spiked, Mad Max–like design built to repel FPV drone attacks pic.twitter.com/3YzUIW8gr2
ヤマアラシ風の車両防護はウクライナ軍も採り入れており、兵士が戦車にこうした追加装甲を溶接するところを紹介した動画が投稿されている。最近の別の動画には、ヤマアラシ装甲をまとったウクライナ軍のM113装甲兵員輸送車が走行している姿が映っている。
ヤマアラシ戦車に対抗する新たなドローン戦術と弾薬
ヤマアラシ型防護は主に、光ファイバーを通じた有線誘導タイプを含む自爆ドローンや、比較的軽量な弾薬を搭載する小型爆撃ドローンへの対抗手段として開発された。しかし、米国製のスイッチブレードやロシア製のランセットといったより大型の徘徊弾薬は概して、突起物を突き抜けて効果的に起爆できるだけの重量や速度、弾頭威力を備える。同様に、より重量級の爆撃ドローンから投下される対戦車地雷などの大型即席弾薬も、純粋な爆発力によってヤマアラシ風装甲を突破できることが示されている。


