トランプ政権はどう動く?
トランプ政権当局者はIEEPA関税が無効となった場合、新たな関税を課す意向を示している。ただしその内容は依然として不明である。国家経済会議のケビン・ハセット委員長は1月、政権には「バックアッププラン」があり、「直ちに」10%の新しい関税を課す可能性があると述べた。これは、大統領が最大15%の関税を最大150日間課すことを認める法律に基づく可能性が高い。ただしこれらは一時的な措置にとどまり、長期的にどのような関税を導入できるかは不透明である。
トランプ関税のコストのうち、米国の輸入業者と消費者が残りの96%を負担との研究
トランプは関税を外国への制裁手段だと主張しているが、研究によれば、それを実際に負担しているのは米国の消費者である。ドイツのシンクタンクであるキール世界経済研究所は1月の調査で、2025年におけるトランプ関税のコストのうち、外国の輸出業者が負担したのは約4%にすぎず、米国の輸入業者と消費者が残りの96%を負担していると主張した。
輸入業者と契約を結び、IEEPA関税の還付請求権を買い取った金融機関も
企業側は最高裁が関税を無効とすることに賭けてきた。すでに1000社超の企業が還付を求める訴訟を事前に提起している。最高裁の判断をめぐる不確実性は、ウォール街に特殊な取引機会も生み出した。複数の情報源がフォーブスに語ったところによれば、金融機関は輸入業者と契約を結び、IEEPA関税の還付請求権を買い取ったという。もし関税が無効と判断され、還付が実施されれば、金融機関はその全額を受け取れる。一方の輸入業者は還付総額の一定割合を事前に現金化することができる。輸入業者にとっては即時のキャッシュフローを確保し、少なくとも支払った関税の一部を確実に取り戻すことができるというメリットがあり、最高裁が関税を無効とすることに賭けた金融機関は、より大きな利益を狙ったというわけだ。20日の判決は、還付への道を開いたとみられるため、これらの金融機関にとっては追い風となる可能性が高い。ただし具体的な還付手続きは今後の展開に左右される。
トランプ関税は、第2期政権における経済政策の中核
トランプの関税は第2期政権における経済政策の中核であった。トランプはまず中国、メキシコ、カナダに対する関税を発表し、その後4月にほぼすべての国からの輸入品に関税を拡大した。導入当初に株式市場が混乱したことを受け、数カ月間は限定的に発動されていた関税は、その後8月に全面的に発効された。
エコノミストたちは、関税が消費者物価を押し上げ経済を損なう可能性を示していたが、それにも関わらずトランプは関税の発動に踏み切った。中小企業は関税により事業運営が大きな打撃を受けたとしてトランプ政権を提訴している。今回の判決に至る以前にも、最高裁は2025年11月の口頭弁論で関税政策に懐疑的な姿勢を示していた。トランプは、この訴訟は米国経済存亡の危機であると繰り返し主張し、テレビ番組『60 Minutes』の中で、裁判所が自身に不利な判断を下せば米国は「破滅する」と述べ、トゥルース・ソーシャルへの投稿の中でも、この訴訟は「これまでで最も重要な裁判の1つだ」と記していた。


