今日のCEOは、止まることのない複数のシステムが重なり合う環境で舵取りをしている。人工知能(AI)は時間軸を圧縮し、市場参入の障壁を下げる。勝者と敗者を分ける差はますます薄くなる。かつて数カ月を要した意思決定が、いまや数週間、あるいは数日で進む。適応力こそがリーダーとして生き残ることを左右する。
密室で下された決定が、しばしば公の場に姿を現す。文脈を剥ぎ取られた状態で表に出て、リアルタイムで評価される。リーダーは今や、事業経営と同時に、常に衆目にさらされる状況をも管理しなければならない。
リーダーシップには常に心理的・身体的コストが伴ってきた。だが今は、スピード、露出、認知負荷のいずれもが以前よりはるかに高い。こうした現実は、異なるOSを必要としている。
この新たな現実は、経営幹部に対する期待を変えた。今日のCEOは、伝統的な経営者というより、プロのコーチに近い存在になりつつある。ゲームが変わったのにプレーブックが変わらなければ、パフォーマンスは落ちる。そしてリーダーの交代が続く。NFLでは、新しい戦略に適応できなければキャリアは終わる。ビジネスでも事情はほぼ同じである。
そう考えると、今日のリーダーシップのプレーブックは、2つの本質的な資質から始まる。
エネルギー:リーダーシップを動かすフィルター
戦略を吟味し、ビジョンを議論する前に、リーダーシップはリーダーのエネルギーとして表れる。CEOの健康が原子炉だとすれば、エネルギーはそれを動かすウランである。
エネルギーは、経営幹部にとって価値あるKPIだ。なぜならそれは、従業員、投資家、パートナー、そして世間がCEOを体験する最初のフィルターだからである。人が前のめりになるか、距離を取るか。会話が前に進むか、停滞するか。不確実性が制御可能に感じられるか、不安定化すると感じられるか。優秀な人材が深く関与するか、静かに離れていくか。そうした反応を形づくる。
CEOにとってエネルギーとはキャパシティである。精神的レジリエンス、感情の安定、身体的スタミナが、重圧下で一体となって機能することで示される。CEOは企業の中枢電源としての役割を担う。イノベーションと成果を駆動し、文化、基準、期待値を定める。
持続的な活力を備えたリーダーは、急激で予期せぬ変化の中でも、負荷と消耗に屈することなく対応できる。スピードが加速しても、そのエネルギーは変動を増幅するのではなく、システムを安定させる。現代のリーダーシップにおいて、エネルギーは結果をどちらにも増幅し得る力の乗数である。
好奇心:リーダーシップの羅針盤
エネルギーが組織に動力を与えるのだとすれば、好奇心はそれを正しい方向へ動かし続ける。
テクノロジーが支配する現代のリーダーシップにおいて、速さだけが優位性にはならない。調整がなければ、むしろ負債となる。好奇心はCEOのナビゲーションシステムとして機能する。環境をスキャンし、新たな情報に合わせて調整し、先入観をいったん脇に置き、些細なズレが大きな失敗へと連鎖する前に軌道修正する。
AIと急速な変化によって形づくられていく世界では、持続的な好奇心が不可欠となる。リーダーは環境の変化についていくことが求められるからだ。
高業績のCEOを対象にしたマッキンゼー・アンド・カンパニーの調査は、最も高い成果を上げる人物ほど、広範な好奇心と学習マインドセットを一貫して示していたことを明らかにした。彼らを分けたのは確信ではない。適応力であり、組織内に学習を制度として根づかせる仕組みであった。
変化し続ける地形において、好奇心はリーダーの羅針盤となる。
リーダーシップにおいて、推進力と方向性が交差するとき
原子力産業が変革しているのと同様に、ビジネスのリーダーシップも新たな資質を求めている。CEOには幅広いスキルが必要だ。だが今後、エネルギーと好奇心の両方ほど重要なものはそう多くないだろう。好奇心のないエネルギーは、方向性を欠いた推進力を生む。エネルギーのない好奇心は、力を伴わない洞察を生む。
今日のリーダーシップで成功するCEOは、推進力と方向性を兼ね備えている。影響力を増幅させるための持続可能なエネルギーを生み出す。同時に、地形が変わっても軌道を維持する好奇心を持ち続ける。



