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2026.02.20 23:49

3Dコンテンツの未来を変える5つのトレンド 2026年の展望

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アンドラニク・アスラニャンは、没入型世界を「創り、つながり、探索する」ためのオープンでクロスプラットフォームなメタバース「HTC VIVERSE」のグロース責任者である。

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3Dコンテンツを取り巻く環境は、オフラインレンダリングからリアルタイムエンジンへと移行して以来、最大級の変革期を迎えている。現在VIVERSEでグロース責任者を務める以前、私はゲーム、インタラクティブマーケティング、リアルタイムコンテンツのパイプラインにまたがり、3D体験の構築、最適化、提供に長年携わってきた。

私が経験した最大の変化のひとつは、CryEngineやUnreal Engine(アンリアルエンジン)といったゲームエンジンが、AAAスタジオ専用の存在から、あらゆるゲーム開発者が手頃な価格で利用できる選択肢へと変わったことだ。これによりゲーム開発の競争条件が平等になり、インディースタジオもAAAと同じ技術を使えるようになった。その結果、市場には新作ゲームが溢れ、消費者はより質の高いコンテンツを楽しめるようになった。

2026年は、AIと機械学習とともに、3Dコンテンツ制作の次のフェーズで限界を押し広げる年になると私は確信している。業界が向かう先は、次のとおりだ。

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1. 3Dガウシアンスプラッティングが次のレンダリング標準になる

この1年で、3Dガウシアンスプラッティング(3DGS)は研究上の目新しさから、制作現場で使えるブレークスルーへと移行した。しかも、まだ始まりにすぎない。3DGSは、ポリゴンベースのパイプラインが何十年も両立に苦しんできたものを実現する。すなわち、従来のモデリングでは到底かなわない速度で生成される、超写実的かつ高性能なビジュアルだ。

従来のメッシュベースのワークフローでは、手動でのトポロジー作成、クリーンアップ、UV展開、最適化が必要だった。一方3DGSは、驚くほど高い忠実度で現実世界のシーンをキャプチャし、再構成できるうえ、レンダリング負荷も最小限で済む。ツールのエコシステムも急速に拡大しており、新たなキャプチャリグ、編集スイート、エンジン統合が毎月のように登場している。2023年には、ガウシアンスプラッティングに関する研究論文はわずか79本しか発表されなかった。ところが2025年には1,692本へと跳ね上がり、1日平均4.63本という計算になる。

3DGSは実験的な手法から中核のレンダリング戦略へと移行していくと私は見ている。とりわけ、予算を指数関数的に膨らませることなくフォトリアリズムを優先するスタジオにとってはなおさらだ。

2. 3DGSがイノベーションを主導するにつれ、AIメッシュ生成は減速する

2023年と2024年にはAIによるメッシュ生成が急速に進化したが、私は勢いが変化したことを感じている。メッシュ生成モデルは改善しているものの、かつて予測されたペースではない。主な理由は、3DGSのほうが、より速く、より写実的で、リアルタイムパイプラインへの統合も容易な結果をもたらすからだ。業界は、私が2DのAIワークフローで見てきたのと同じパターンを辿っている。すなわち、クリエイターは品質を落とさず摩擦を減らすものへと引き寄せられる。そして現時点では、それが3DGSなのである。

だからといってAIメッシュ制作が消えるわけではない。クリーンアップ、リトポロジー、スタイライズされたアセットのための補助ツールとして位置づけが変わる一方で、3DGSは複雑で写実的な環境を取り込むための好ましい手法になっていくと私は予想している。

3. 「フレンドスロップ」と小規模フォーマットのゲームが、AAとインディー市場を作り変える

あまり語られないが極めて重要なトレンドは、消費者の嗜好の変化である。AAおよびインディーの領域は、何年もかけたハイリスクな制作から、短期間で回せる小規模タイトルへと移行している。これらは「フルコース」ではなく「スナック」としてのゲームという発想に基づくことが多く、「フレンドスロップ」(友人と気軽に遊べるゲーム)、ソーシャル系ミニゲーム、カジュアルでありながら非常に共有されやすい体験へとつながっている。

この変化は、製品リスクの低さ、短くなる注意持続時間、そして誰もが時間内に消費しきれないほどのコンテンツが存在することによって起きている。ゲームは高価であり、消費者は次へ移るのが速い。短時間セッションでマルチプレイのゲームを継続的に供給するパイプラインを構築すれば、開発者は消費者の関与を維持できる。

つまり今後は、映画的な磨き込みや長編の物語性よりも、反復のスピード、発見されやすさ、拡散性がますます重要になる。素早くプロトタイプを作り、狭くても中毒性のあるゲームプレイループを提供できるスタジオが成功する。

4. 映画スタジオはマーケティングでインタラクティブなWeb体験に注力する

エンターテインメントの形式間の境界が曖昧になり続けるなか、大手映画スタジオは公開作品のプロモーションにおいて、予告編やSNS施策にとどまらず、さらに領域を広げていくだろう。2026年には、小規模でインタラクティブな3DのWeb体験が好まれ始めるはずだ。

すでに、軽量なブラウザベースのゲームや、キャラクター、環境、作品のバックストーリーを紹介するマイクロ体験といった初期形が見られる。例えばユニバーサル・スタジオは、『ジュラシック・ワールド』フランチャイズの公開に合わせて複数のゲームを制作しており、同様の動きが他スタジオにも広がると私は見ている。

こうした体験は、消費者の関与を長期的に高い状態で維持する「ロングテール効果」を生み、映画からビデオゲーム、さらに関連商品へと移行させることもできる。小さな体験でも、正しく作れば大きなバイラル成功に化ける。しかも体験全体を自社で保有することで、SNSプラットフォームのアルゴリズムに依存せずにインサイトを得られる。

3DGS、軽量なUnityまたはPlayCanvasのWebビルド、あるいはWebGPUネイティブのフレームワークを用い、過去のコストの一部でインタラクティブな映画体験を提供し、拡散性を高めるマーケティング用マイクロサイトが急増すると予想される。

5. AI支援ツールはアーティストを置き換えるのではなく、加速させる

AIに仕事を奪われるという懸念がある一方で、2026年に登場する最も強力なツールは、代替ではなく支援である。ワークフローを加速しつつ、創造的な意思決定はアーティストの手にしっかり残る。例えばAI支援のアニメーションツールは、制作者がキーフレームアニメーションを作成し、その後アップロードされたデータのクリーンアップを支援する。これによりアーティストは手間のかかる工程を素早く進め、デザインの残りに集中できる。

2026年、クリエイターと開発者が没入型コンテンツを設計し、ローンチしていくにつれて、3D領域は引き続き市場シェアを拡大していく。とりわけブラウザベースの体験の利用は増えるだろう。多くのユーザーが専用デバイスなしで施策を体験できるからだ。これはまだ始まりにすぎない。

forbes.com 原文

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