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2015.10.11 08:30

ジェンダーの壁を乗り越えるには 米国女性起業家らが会談

dolgachov / Bigstock

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シリコンバレーで働く女性に朗報だ。ベンチャーキャピタルFirst Round Capitalの最新データによると、経営陣に女性が一人以上いるスタートアップの業績は全員男性のスタートアップの業績を上回るという。

しかし現状では、女性が設立した企業に対するベンチャーキャピタルの投資額は全体の7パーセントに過ぎない。女性やマイノリティーの起業家が男性主体のビジネスシーンで成功するためには何が必要なのか? 10日4日、フィラデルフィアで開催されたフォーブスの「Under 30 Summit」に女性投資家や起業家らが集まり、ジェンダーの壁を乗り越える秘訣を共有した。

投資家のSarah Kunstは、IT業界に身を置く黒人女性としてダブルマイノリティーを自称する。そんな彼女からのアドバイスは「非の打ち所がない存在になること。一つでも多くの特許や学位を取得し、称号を手に入れるべき」。Kunstの場合、フォーブスの「30 under 30(30歳未満の30人)」に選ばれたことで誰からも一目置かれる存在となった。

新興の音楽出版社ZinePakの創業者、Brittany Hodakはスタートアップの世界で自らの存在を印象づける手段として、伝統的なツールを薦める。「私は毎週、30〜45通の手書きのお礼状を出しています」

3Dプリント技術を使ってインソールのカスタマイズ製造を行うSOLSのKegan Schouwenbergは、「資金調達した後は事業を拡大し過ぎないほうがいい」とアドバイスした。SOLSは創業から2年間で70人の従業員を抱える企業に急成長したが、「70人規模の会社を運営するにあたって困難が絶えなかった」と振り返る。「今でも業界内では伸びが早いほうですが、以前よりはペースダウンしています。人事部門も作りました。資金が増えるとそういったコストもかかります」

資金調達といえば、ZinePakのHodakとそのビジネスパートナーでフォーブスの「30 under 30」の一人でもあるKim Kaupeは、テレビ番組「Shark Tank」(起業家が投資家の前で事業プランをプレゼンする米国版「マネーの虎」)に出演した経験がある。だが結局、彼女たちは出資を受けず、法人クレジットカードを使い自力でやりくりする方法を選んだ。「起業家として賭けに出たい人には勧めませんが、オーナー経営者でいたい人には法人クレジットカードは素晴らしい手段です」

女性の教育を支援するマララ基金の設立者、Shiza Shahidは非営利団体ならではの資金調達の難しさを打ち明ける。Shahidは、ロサンゼルス在住の女性からパキスタンのスワット渓谷(ノーベル平和賞を受賞した人権運動家マララ・ユフスザイの出身地)について何も知らない16歳の息子を、現地の恵まれない子どものメンターにしたいと相談されたエピソードを「古典的な白人の救済者症候群」の例に挙げ、人々の善意が必ずしも団体の活動資金には結びつかないと発言。「善意はあるけれど、それをどのような形で表すべきかを知らない人々がいるのです」

Kunstは資金調達を起業のゴールに設定すべきではないと警告する。「お金とお金集め自体は何の成果でもありません。そのお金で価値あるものを生み出して初めて意味があります。明日、誰かから100万ドルの小切手をもらえることになったとして、その使い道が決まっていなければ意味が無いんです」

Schouwenburgも同意する。「一度お金が集まったら、時計の針は巻き戻せません」と彼女は話した。

文=クレア・オコナー( Forbes)/ 編集=海田恭子

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