リーダーシップ

2026.02.20 23:12

CEOが今、リーダーに期待する8つの資質

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Dr. Vince Molinaro(Leadership Contract Inc.のCEO)。『NY Times』ベストセラー作家。リーダーが戦略的転換を主導するのを支援するグローバルエキスパート。

業界を超えてCEOたちと対話を重ねるなかで、ある共通のパターンが繰り返し浮かび上がってくる。彼らは、自社が直面する変化のスピードと、求められる意思決定の複雑さによって、途方もないプレッシャーの下にあると認める。だが話題が自社のリーダーやマネジャーに移ると、多くのCEOはいったん言葉を止め、そして同じ趣旨のことを口にする。

「今のリーダーシップチームから得られている以上のものが必要だ」

彼らが言っているのは、人材の不足ではない。かつてリーダーシップに求められたものと、いまリーダーに求められているものの間にあるギャップである。環境が変われば、リーダーも変わらねばならない。

しかし、多くのリーダーがその変化に苦戦しているようだ。

CEOはもはや、自部門をうまく回せる技術的に強いリーダーだけを求めているのではない。不確実性、変化、そして高まる期待に規定された環境で、スピードをもって動き、判断力とインスピレーションをもたらせるリーダーも求めている。

リーダーやマネジャーが知っておくべきこと

組織の成功を牽引するために、CEOがいまリーダーに本当に必要だと一貫して語る内容を要約した。

オーナーシップが出発点である

CEOが最初に期待するのは驚くほど基本的なことだ。自分の役割を完全に「自分のもの」として引き受けるリーダーである。いまのオーナーシップとは、成果に対する説明責任を負うことを意味する。努力を結果と取り違えないことでもある。CEOの目を通すと、リーダーの信頼性は個人としての説明責任から始まる。

スピードは判断力と組でなければならない

ビジネスのスピードは過酷であり、今後もそうあり続ける。とはいえ、適切な判断を伴わないスピードは危険だ。CEOは、断固として動けると同時に、大局も見渡せるリーダーを期待している。押すべきとき、立ち止まるべきとき、進路を変えるべきときを理解しているリーダーである。

明確さはリーダーの責務である

最も強いリーダーは不確実性を取り除くのではなく、それを乗り越える自信を周囲が持てるようにする。優れたリーダーは、複雑さを単純化し、戦略を明確な期待へと翻訳し、環境が揺れ動くときに安定感を提供する。私の経験では、CEOは、明確さを生み出すリーダーと、混乱を助長するリーダーをすぐに見分ける。

勇気と率直さは参加資格である

CEOは、反応するのではなく先回りして見通すことを常に求められている。だからこそ、リスクが大きく高コストな問題に膨らむ前に、早い段階でそれを表面化させるリーダーを必要としている。ここで求められるのは勇気だ。ほかの人が避けることを指摘し、前提を問い、難しい意思決定を行い、権力に真実を語る意志である。

無難に振る舞うことは心地よく感じられるかもしれない。だが多くのリーダーにとって、それはより大きなリスクになり得る。私が共に働くCEOの多くは、率直で直接的でありながら、敬意とプロフェッショナリズムを保てるリーダーを重視する。言いにくいことを言うのは重要であり、どう言うかも同じくらい重要だ。

実行こそが信頼を築く場である

戦略は結果として表れなければ意味がない。CEOは、方針を規律ある確実な実行へと落とし込めるリーダーを頼りにする。成果を出す評判を築く一方で、未来に向けて熱意と関与を持つ強いチームを育てられるリーダーは、その先に待つものに対して良い位置を占める。

いまCEOは、明確な期待を設定し、人に説明責任を持たせ、意図的に人材を育成することで、常時の監督を要しないチームをつくることをリーダーに期待している。説明責任は、うまく行えば懲罰的なものではない。むしろ、何が期待されているかが分かり、成果へのオーナーシップを感じ、最高の仕事を届けることに誇りを持てるチームをつくることで、人を鼓舞する。

全社視点がリーダーの差を分ける

機能(部門)としての卓越性は必要条件にすぎない。いまリーダーを差別化するのは、「1つの会社」というマインドセットを持てるかどうかだ。CEOは、自分の縦割りを超えて考え、境界を越えて協働し、組織全体の最善の利益にかなう意思決定ができるリーダーを必要としている。CEOがリーダーに対して暗黙に投げかける問いはシンプルだ。「事業オーナーのように考えると信頼できるか」

レジリエンスはリーダーの義務である

絶え間ない混乱の時代において、燃え尽きはリスクである。CEOは、個人としても組織としてもレジリエンスへの関心を強めている。それが低ければ、戦略の実行は損なわれ得る。

CEOが必要とするのは、持続可能なパフォーマンスを築き、エネルギーを管理し、バランスを体現し、圧力を吸収してもひび割れないチームをつくるリーダーである。ウェルビーイングはもはや「あればよいもの」ではない。パフォーマンスを可能にする要素である。レジリエントなチームは偶然には生まれない。そのように導かれて生まれる。

リーダーシップは苦しい局面で試される

最後に、CEOはいま、状況が厳しくなったときに頼れるリーダーを必要としている。不評で困難な判断であっても下し、それを支持できるリーダーである。課題を、自らの本当のリーダーシップ能力の試金石として捉えるリーダーである。こうしたリーダーは困難な仕事から逃げない。挑戦に立ち向かい、明確さ、コミットメント、自信をもってチームを伴走させる。

あなたはCEOに頼られる存在か

以下の問いを見直し、いまリーダーとして自分がどこに立っているかを判断してほしい。

1. オーナーシップ:私はどこで結果を全面的に引き受けているか。

2. スピードと判断力:緊急性と熟慮した意思決定の適切なバランスを保って動けているか。

3. 明確さ:チームメンバーは私との対話の後、より明確になり、より自信を持って帰っているか。

4. 勇気と率直さ:不快であっても、厳しい問題を早い段階で提起し、正直に話す意志があるか。

5. 実行:私のチームは一貫して成果を出しているか。人々は自分の説明責任の範囲を明確に理解しているか。

6. 全社視点:より広い組織を念頭に置いて意思決定しているか。

7. レジリエンス:時間の経過とともにエネルギー、集中力、パフォーマンスを維持できるやり方でリードしているか。

8. プレッシャー下のリーダーシップ:利害が大きいとき、私はどう振る舞うか。

リーダーシップの契約は変わった

CEOとリーダーの間にある暗黙の契約は進化した。肩書、在任期間、専門性だけではもはや十分ではない。いま重要なのは、プレッシャー下でどう現れるか、不確実性の中で他者をどう導くか、そして前向きな意図をどう事業インパクトに変えるかである。

より高い行動基準と期待に踏み出す意思のあるリーダーにとって、機会はかつてないほど大きい。

forbes.com 原文

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