「正しいことをする」ための本当の謙虚さ──スピードスケート・ストルツ
スピードスケート男子のジョーダン・ストルツは幼い頃、米ウィスコンシン州の自宅の裏庭にある凍った池でスケートを覚えた。21歳で臨んだ今大会では、500mと1000mの2種目で金メダルを獲得。1980年のレークプラシッド冬季五輪でスピードスケート5種目全てを制し「氷上の怪物」と呼ばれたレジェンド、エリック・ハイデンの偉業再びと騒がれるようになった。
しかしストルツは2冠達成後、出場予定の残り2種目についての展望を公の場では口にせず、ただ「何が起こるか分からない」と述べた。
ストルツの言葉は、見せかけの謙虚さやSNSでよく見る照れ隠しの謙遜などでは決してない。むしろ、本当の謙虚さを備えた者の持つ落ち着いた確信だ。ストルツは自分のルーツを忘れず、成功が決して保証されてはいないことを理解し、自らのパフォーマンスに集中しながら研鑽を続けている。「楽勝だなんて言えない」「まだ正しいことをする必要がある」とストルツは語った。
これはまさに価値観を重視するリーダーの姿だ。どんな困難に直面しようとも、私たちにできるのは正しいことを為し、与えられた時間の中で最善を尽くすことだけである。
(編集部注:日本時間20日未明に行われた男子1500mでストルツは2位に終わり、3冠を逃した)
価値観に基づくリーダーシップ、実践の手引き
ほとんどの人は、ボブスレーに乗ったり、スキーでジャンプ台の上から飛んだり、フィギュアスケートの難しい技に挑戦したりすることとは無縁の人生を送っているだろう。だが、選手たちの姿勢に学び、価値観に基づくリーダーシップを実践する自分なりの戦術ノートをつくることは誰にでもできる。
・内省──最も重要なのは起こったことそのものではなく、その経験から何を学ぶかだ。失敗は成功と同じくらい、あるいはそれ以上に多くのことを教えてくれる。
・バランスの取れた視点──自分の意見や、自分が真実だと思っていることが何かということなら、誰だって把握している。けれど、他の人たちが何を考えているかはわからない。多様な視点を取り入れて初めて、その場における最善策と長期的に最善な行動指針を決定することが可能になる。
・真の自信──自分は何者で、何を信条とし、何を成し遂げたいのか。それを知った上で、直面するリスクをも理解していることだ。
・本当の謙虚さ──自分の原点を忘れず、あらゆる人に敬意をもって接すること。それが真の勝者の証となる。


