リーダーシップ

2026.02.20 18:00

五輪選手たちに学ぶ「価値観に基づくリーダーシップ」 イリア・マリニンからリンゼイ・ボンまで

ミラノ・コルティナ冬季五輪フリースタイルスキー女子スロープスタイル予選の選手たち。2026年2月7日、リビーニョ・スノーパークにて撮影した写真を合成(Hector Vivas/Getty Images)

ミラノ・コルティナ冬季五輪フリースタイルスキー女子スロープスタイル予選の選手たち。2026年2月7日、リビーニョ・スノーパークにて撮影した写真を合成(Hector Vivas/Getty Images)

90を超える国と地域から約2900人の選手が参加し、雪山から氷上まで、計116種目に及ぶ多彩な舞台で熱戦を繰り広げているミラノ・コルティナ冬季五輪。競技が生み出す興奮や表彰台の感動を超えて、勝利と敗北の両面で五輪選手たちの姿から学べることがある。それは、価値観に基づくリーダーシップの重要な教訓だ。

テレビで五輪を観戦している1人として、筆者は五輪選手たちを「価値観に基づくリーダーシップの4原則」すなわち、内省、バランスの取れた視点、真の自信、そして本当の謙虚さ、という4つのレンズを通して見つめてきた。そこから得られた、五輪閉幕後も長く心に留めておきたい洞察を紹介したい。

失敗したときは内省せよ──フィギュア・マリニンらの教え

前回の北京大会で黒人女性として史上初の金メダルを個人種目で獲得したスピードスケート米国代表のエリン・ジャクソンは、ワールドカップ2連覇を経て、今大会でもメダルへの期待が高まっていた。しかし、得意の500m種目のレース中盤でバランスを崩し、5位に終わった。

その直後の対応に、ジャクソンを真のチャンピオンたらしめ、価値観に基づくリーダーの模範とするべき理由がある。ミスをしたとわかった瞬間に自分自身を振り返り、悪かった点を認めつつ、良かったところも見つけて評価する能力だ。「第2コーナーで少しつまずいた」とジャクソンは記者団に語った。「でもその後は全力で走り切った。全体的にはレースに満足している」

この冷静な自己分析は、米国代表のチームメイトである21歳のフィギュアスケーター、イリア・マリニンにも通じる選手としての手本だ。

ミラノ・コルティナ冬季五輪フィギュアスケート男子シングル・フリーの演技を終え、顔を覆う米国のイリア・マリニン。2026年2月13日、ミラノ・アイススケートアリーナにて(Ulrik Pedersen/NurPhoto via Getty Images)
ミラノ・コルティナ冬季五輪フィギュアスケート男子シングル・フリーの演技を終え、顔を覆う米国のイリア・マリニン。2026年2月13日、ミラノ・アイススケートアリーナにて(Ulrik Pedersen/NurPhoto via Getty Images)

4回転ジャンプを7本組み込む驚異的なプログラムで五輪に臨んだ「4回転の神」マリニンは、男子シングルの金メダル“本命”と目されていたが、演技中に「大崩れ」して総合8位に終わった。失意を口にしたマリニンは、もし2022年の北京五輪に出場できていれば「もっと経験を積んで、五輪という環境にどう対処すればいいのかわかったと思う」と語った。

ここで肝心なのが、マリニンの次の行動である。五輪が終われば、ゆっくり内省する時間が取れる。その後は、精神面をうまくコントロールする方法をマスターして、さらに強くなってリンクの上に戻ってこられるだろう。

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これは私たち全員にも当てはまる。誰もが毎日、どんな場面でも最高のパフォーマンスを発揮できるわけではない。内省を経て、初めて私たちは自問できるのだ。今日の自分の行動を把握した上で、明日はどう振る舞うべきか、と。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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