面白さもドラえもんも「心の中」にある
大澤:以前テレビでアート評論家が絵画を前にして、「アートとは、この絵がアートだと思いますよね。違うんです。この絵を見た一人ひとりの心の中にあるものがアートなんだ」と話していました。
僕はそれを観て、ドラえもんと一緒だと思いました。
髙比良:すぐドラえもんに持っていきますね。
大澤:ドラえもんも、ドラえもんを定義する機能が決まっているわけではありません。みんながドラえもんだと、心の中で認めたときにドラえもんになると言えると考えています。
面白さも同じことが言えて、目の前に面白いものがあるわけではなく、目の前のものが心の中で面白いと解釈されて初めて「面白い」となります。ものそのものの面白さではなく、ものと僕たちの心のインタラクションによって面白さが生まれると。
髙比良:わかります。僕も、自分たちの漫才というものは漫才単体で存在せず、みなさんの心の中にあると思いました。

大澤:YouTubeに投稿されている漫才も、動画ファイルとして面白いわけではないですよね。その漫才を見た人がいて、見たときの体験によって面白いが生まれるわけです。
この「面白い」をインタラクションのなかでどう体現するかという話をこれから高尾さんにしていただけるんですよね。
髙比良:すごい、裏回しもできる。
空間そのものをエンタメにする
高尾:それにしても、大澤さんのドラえもんをつくりたいという思いは、僕も子供の頃にディズニーランドをつくりたいという思いを抱いていたので共感します。今でもテーマパークをつくることを至上命題だと思って活動しているほどです。

大澤:死ぬほど嬉しいですね。
高尾:僕は人生の中でも、ディズニーやテーマパークから大きな影響を受けています。それが今につながり、空間でデジタル技術を使って面白い体験をつくっていると言えます。
何か紹介できないかと考えたとき、最近プロデュースしたコニカミノルタジャパンさんのオフィスにご提案させていただいた作品がありました。具体的には、LEDスクリーンに囲まれた空間に、センサーを駆使して自分の姿を投影したり、(スクリーンに映る)粒子を触る体験を設計したりして、(スタートボタンを押すと)コニカミノルタさんが手がける世界観や事業説明が行われるような作品になります。

これまでエンターテインメントに長く携わってきた経験を生かして、企業の良さを世の中に訴求できるかというような作品依頼も増えてきていますね。
髙比良:なるほど。


