大澤:研究を重ねて心が通じ合うようなAIをつくるのが僕の専門で、この技術をドラえもんをつくることにどうにか活かしたいなと考えています。
高比良:一気にドラえもんが現実的になってきましたね。とはいえ、ドラえもんものび太君の気持ちをわかっていないと感じるときもありますけど。
大澤:その通りで、これだけ心を通じ合うという話をしてきましたが、結局は心の中はわからないものです。人の心とは、正解がわからないという前提で情報処理をしていく対象になります。
心の研究をしていると、「心が読めるロボットなんて気持ち悪い」とよく言われますが、そもそも相手の心を読める人間がいない以上、心を読めるロボットもつくれません。ただ、“心が通じ合えていると感じられる”ことが大事だということです。

「面白さ」はどう作りだすのか
髙比良:高尾さん聞いていてどうですか。
高尾航大(以下、高尾):僕は道具としてのAIと触れ合うことが多くて、指示を出すと完成度の高いアウトプットが出てくると感じています。
でも、お客さんを楽しめるという仕事をするなかで「これは本当に面白いのか」と悩むことも少なくなく、そのあたりにも人の心が関係しているのかなと考えたりもします。「面白い」はどうやって作り出すんだろうと気になりました。
髙比良:どうですか大澤さん。
大澤:僕のフェーズ終わったかと思って・・・
髙比良:THE DAY(会場で配られたアルミ缶に入ったミネラルウォーター)満喫してる場合じゃないんですよ! (笑)。
大澤:面白さをどのように解釈したり、理解したりするかということですよね。ちゃんと聞いてました(笑)。
実は面白さの研究は多く、以前に認知科学という心理学の学会で、お笑いコンビのかまいたちのお二人がゲストに来たことがありました。かまいたちのネタを人型ロボットのPepper(ペッパー)が実演するという特別セッションでした。
しかし、まったく同じネタでもかまいたちがやると面白かったり、同じ話でも間が悪いだけでウケなかったりしていました。そのため、人は面白いから笑っているわけではなく、笑う雰囲気だから笑っているだけだという分析もされていました。
実際、笑いの研究者がやったのは、全く面白くない話を自分たちが研究してわかった面白いリズムで話せば、参加者全員が笑うという実験もあるほどです。
髙比良:えーっ!


