米国の「戦略ビットコイン備蓄(SBR)」は現在、32万5000BTC超を保有している。これは総供給量の1.6%に相当し、国家によるビットコイン保有量としては世界最大だ。各国政府は金(ゴールド)とともにビットコインも積み増している。大企業もまたビットコインの買い入れを増やしている。
「安全資産」になりきれていないビットコイン
筆者はビットコインのことをよく「デジタルゴールド」と呼んでいるが、真の安全資産としてはまだ十分に成熟していないとも考えている。機関投資家も依然としてビットコインを「リスクオン資産」として扱っており、「リスクオフ資産」とは見なしていない。つまり、機関投資家のポートフォリオの中でビットコインが果たす役割は、いまだ模索中の段階だということだ。
ビットコイン相場の軟調が続いているのは10/10クラッシュに起因するのか。筆者はそうだとみている。あの暴落は、レバレッジド・ポジションを一掃するとともに、デジタル資産のエコシステム全体に必要ながら痛みを伴うデレバレッジ(負債圧縮)を強いた、重大な構造的ショックだった。
この相場崩壊は特定のプラットフォームによる無責任なマーケティングキャンペーンが要因だったのか。これについても筆者はそうだったと考える。トークン化されたヘッジファンド型商品をステーブルコインのように扱うようユーザーに促し、さらに無制限のレバレッジを認めれば、リスクは増幅される。
このクラッシュは非常に大規模なものだったが、必要な「薬」だったのかもしれない。ときには、次の上昇局面が始まる前に過剰なレバレッジをシステムから一掃する必要がある。いまはそのプロセスの最終段階にあるというのが筆者の認識だ。


