暗号資産

2026.02.20 09:00

ビットコインが引きずる「10/10クラッシュ」の衝撃 相場反転の可能性は

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公平を期すために付言しておけば、バイナンスはこの暴落について一切の責任を否定している。先週開かれた暗号資産関連のイベントで、同社のリチャード・テン共同CEOは原因をもっぱらトランプに帰した。筆者に言えるのは、ストップロス(逆指値)が巧妙に利用され得るような環境で、しかもリスク管理が不十分なまま高レバレッジの契約を認めれば、それは火薬庫を築いているようなものだということだ。それはほんの小さな火種で爆発してしまう。

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心理面のダメージ

10月10日は、たんに投資家のポジションを消し去っただけではない。投資家の信頼も打ち砕いた。ビットコイン価格は当時、史上最高値の12万6000ドル近くまで上昇していたが、この出来事を機に天井を打ち、下落に転じた。これは投資家の間に恐怖を引き起こし、それはいまも尾を引いている。

続く数週間でETFの大規模な解約がみられた。10月10日と同じ週にビットコインが最高値を更新した際、先物や信用取引に殺到していた個人投資家たちが最初の犠牲者になった。160万件を超える個人口座が清算され、うち相当数が小口投資家のものだった。

その延長でビットコインは今月に入ってからも売られ、価格が7万ドルから6万ドルに下落するなかで史上最大規模の実現損失をもたらした。あるアナリストは、これを「教科書的なキャピチュレーション(降参)事象」と評している。大量の投げ売りが急速に進み、確信度の低い保有者の損失は一気に確定した。

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「それでも」ビットコインに強気な理由

市場の動揺が続いているにもかかわらず、筆者はビットコインについて長期的には強気の見方を維持している。なぜなら、ファンダメンタルズ(基礎的条件)はなお強固に見えるからだ。

機関投資家によるビットコインの採用は加速している。暗号資産を戦略的に保有・運用するいわゆる「デジタル資産トレジャリー(DAT)」企業によるビットコイン保有高は、合計で110万BTCを超える。これはビットコイン総供給量の5.7%に相当し、評価額はざっと900億ドル(約14兆円)に達する。企業でビットコインを最も多く保有する米ストラテジー(旧マイクロストラテジー)は、1社で総供給量の3.5%に相当するポジションを築いている。また、1月には厳しい相場環境にもかかわらず、機関投資家は合計でおよそ4万3000BTCをポートフォリオに追加した。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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