検索エンジンに頼らず、AIに旅行のプランを考えさせる人が増えているようだ。オーバーツーリズムが問題となっているが、AIに聞けば、混雑する定番の観光地を避けて、これまであまり光が当てられてこなかった場所を提案してくれるという、観光客にとっても観光地にとってもうれしい利点がある。ところが、宿泊施設の場合は少し話が違うようだ。
宿泊施設に特化したコンサルティング業を展開する宿研(やどけん)は、直近で生成AIを使って旅行計画を立てた全国630人の男女を対象に調査を実施したところ、じつに約55%の人たちが、実際にAIが提案する場所に旅行をしていることがわかった。また、実際に行かないまでも検討した人が約30%。あわせて8割を超える人たちが、行くことを前提にAIが立てた計画を真剣に受け止めたということだ。

もしAIを使わなかったらどうだったかを尋ねると、約39%の人が「定番で有名な目的地や宿泊施設を選んでいた」、また約27%は「候補が今より少なかった」と答えた。「変わらない」と答えた約26%を除くと、AIによって選択肢が広がったと肯定的にとらえている。これを受けて宿研は、「有名ではなかった地域や施設にも、AIをとおして新しい認知機会が生まれつつある」と話している。
これはじつに喜ばしいことだが、ひとつだけ問題がある。AIが提案した宿泊施設に実際に泊まる人が少ないことだ。AIに宿泊先の候補を出してもらった338人のうち、それを採用しなかった人が226人にのぼった。実際に泊まったのは3割強にすぎない。

理由を聞くと、口コミがよくない、レビューが少ない、情報不足、写真不足、安心を優先したなどとなった。大勢の人が押し寄せる観光地の旅館と違って、口コミやレビューが少ないのは仕方ないとして、情報や写真の不足は、宿泊施設のPR不足と言える。せっかくAIが推薦してくれたのに、もったいない結果となったわけだ。
また「安心」を優先した人たちにも、宿泊施設が安心材料を提供しきれていないことになる。課題は「AIに見つけてもらうこと」だけでなく、見つけた後に安心して選べる情報の整備だと宿研は指摘している。
調査の詳しい内容は、こちらで見ることができる。



