北米

2026.02.22 15:00

1.9兆円を元手にメリンダ・フレンチ・ゲイツが挑む、「女性と少女」のための闘い

メリンダ・フレンチ・ゲイツ(Photo by Taylor Hill/Getty Images)

メリンダ・フレンチ・ゲイツ(Photo by Taylor Hill/Getty Images)

メリンダ・フレンチ・ゲイツは、ビル・ゲイツとの離婚を経て、2人で設立した世界最大規模の「ゲイツ財団」から完全に独立した。その決別の背景には、ビル・ゲイツと性的搾取事件の性犯罪者ジェフリー・エプスタインとの関係があった。

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現在メリンダは、自身の経験と悲しみを、不当な状況に置かれた少女や女性たちを支援するという強固な使命へと転換ししている。元夫から得た125億ドル(約1.9兆円。1ドル=155円換算)という資金を元手に、独自の組織「Pivotal(ピボタル)」を率いる巨大な慈善家・投資家として活動中だ。今米国では、アマゾン創業者元妻のマッケンジー・スコットやフェイスブック共同創業者の妻カーリー・ツナに代表されるように、巨万の富を得た女性たちによる、かつてない規模とスピードでの資金拠出が新たなトレンドとなっている。また、米国史上最大規模となる120兆ドル(約1京8600兆円)超の資産が世代間で移転し、その最大の恩恵を女性が受ける「グレート・ウェルス・トランスファー」が始まろうとしている。

今回メリンダはフォーブスのインタビューに応じ、女性や少女を支援する分野がいかに「看過できないほど資金不足」であるかという事実と、自身の新たな寄付戦略について明かした。メリンダをはじめ、自ら起業し財を成した創業者ではない女性たちは、資産に対する独自の距離感から、むしろ「より大きなリスク」を取ることができる。彼女たちが連携(ギビング・サークル)を通じて社会の変革を劇的に加速させている現在地をお伝えする。

公共ラジオに出演したメリンダ、エプスタイン関連文書について質問を受ける

2月初旬、公共ラジオNPRのポッドキャストに出演したメリンダは、米司法省が新たに公開したエプスタイン関連文書について質問された。そこには、元夫に関する未確認のスキャンダラスな主張や、ゲイツが彼女に隠そうとしていた行為が記載されていた。彼女は、過去のエプスタイン問題の発覚が離婚やゲイツ財団との決別の一因だったことを示唆したが、その場で自らの立場ではなく、被害者が受けた痛みに焦点を当てた。

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「私は、自分の悲しみよりも、あの若い少女たちのことを思っている」

「どんな少女も、あのような状況に置かれるべきではない」とメリンダは述べ、「胸が張り裂ける思いだ。だが私は、自分の悲しみよりも、あの若い少女たちのことを思っている」と語った。

ビル・ゲイツとの離婚以降2人で設立した財団からも距離を置き、持株組織Pivotalルを設立

この発言は、単なる建前ではない。メリンダは2021年にビルと離婚して以降、約25年前に2人で設立した財団からも距離を置き、少女や女性を支援する慈善活動や投資に軸足を移してきた。実際、彼女は長年にわたり独自の取り組みを築いてきた。2015年にはPivotal(ピボタル)と呼ばれる持株組織を設立し、2022年にはその民間財団部門を立ち上げた。

2023年には、ピボタル・モメンタム、ピボタル・オポチュニティーズ、ピボタル・パスウェイズという3つの小規模な財団を設けていた(これらは当初、ローズフィンチ、グリーンフィンチ、スノーフィンチという鳥の名を冠していたが、2024年に現在の名称へと改称された)。各財団の具体的な役割の違いは明らかではないが、いずれも「米国および世界における女性と若者の社会的前進を加速させること」をウェブサイトに掲げるPivotalの傘下にある。

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翻訳=上田裕資

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