慈善活動の考え方などに関する、7つの質問と回答
自身の慈善活動の考え方や、女性がどのようにこの分野を牽引しているのかについて、7つの質問に回答してもらった。
あなたが、これほど惜しみなく寄付を続けているのはなぜですか? 資金面だけでなく、慈善活動に費やす時間も含めて、その原動力は何でしょうか?
メリンダ・フレンチ・ゲイツ:正直にいえば、現在のような莫大な資産を持つ立場になるとは想像もしていませんでした。率直にいって、どこか現実離れしていると感じるほどです。私は、富が一部の個人にこれほど集中する仕組みの恩恵を受けた人間として、それを社会に還元すべきだと考えています。それが私の信念であり、寄付を続ける理由です。富は分かち合うためににあるのです。
ここ数年で、あなたの寄付のアプローチはどのように変わりましたか?
メリンダ:ゲイツ財団を離れ、Pivotalを中心とする新たな慈善活動を始めたとき、私は「どこに寄付するか」だけでなく、「どう寄付するか」についても深く考えました。活動を続ける中で強く感じるようになったのは、フィランソロピストが最も力を発揮できるのは、自ら運動を主導することではなく、すでに現場で活動を率いている人たちを後ろから支えるときだということです。
私は自分の取り組みに強い思い入れを持っていますが、すべての課題について自分が専門家になろうとはしていません。専門性はパートナーの側にあります。だからこそ、助成金の設計方法や、成果をどのように共有・検証するかといった関わり方についても、その前提を反映させるよう、ますます意識的に取り組むようになりました。
現在の慈善活動分野で、特に注目すべきトレンドは何だと考えますか?
メリンダ:2つあります。1つは同じ課題に関心を持つ人々が資金を持ち寄り、影響力を最大化する「ギビング・サークル」と呼ばれる取り組みです。その数はこの10年で主に女性に後押しされて2倍以上に増えました。女性は集団で行動する力を理解しており、ギビング・サークルは一般の寄付者が自らの資金をより大きな成果につなげる機会になっているのです。
もう1つは、「グレート・ウェルス・トランスファー(大規模な資産移転)」と呼ばれるトレンドです。2030年までに女性は数兆ドル(数百兆円)規模の資産を相続すると見込まれており、かつてない規模の富を手にすることになります。慈善活動の観点から見て、その資金がどう活用されるのか、私は大きな期待を抱いています。
寄付が十分に向けられていない分野はどこにあると考えますか?
メリンダ:女性や少女に関わる分野に向けられる資金は、慢性的かつ看過できないほど不足しています。女性や少女を対象とする団体が受け取る資金は、米国の慈善資金全体のわずか約2%にすぎません。世界全体で見ても、がん研究を除けば、女性の健康分野に充てられる研究資金はわずか1%にとどまっています。必要とされる額をまったく満たせていない現実は、女性や少女の生活を改善する余地が無数にあるということでもあります。なかでも女性の健康は、私が今後特に重視していきたい分野です。


