元夫がPivotalに寄付した約1.9兆円を含め、寄付を行うための資金を手にする
フォーブスは、現在もビルとメリンダによる寄付実績を合算しており、2人の累計寄付額が推定526億ドル(約8.2兆円)と、ウォーレン・バフェットを除けば世界最多としている。しかし現在、メリンダは自身の構想に基づく寄付を行うための資金を手にしており、そこには彼女が2024年にゲイツ財団を離れた後、元夫がPivotalに寄付した125億ドル(約1.9兆円)が含まれている。
女性や少女の社会的前進を支援する非営利団体に対し、約837億円を拠出
彼女はすでに、女性や少女の社会的前進を支援する他の非営利団体に少なくとも5億4000万ドル(約837億円)を拠出しており、女性や少女に影響を及ぼす課題への取り組みが「良心に反するほど資金不足だ」と指摘している。メリンダは昨年、ナショナル・パートナーシップ・フォー・ウィメン&ファミリーズに1400万ドル(約22億円)、ナショナル・ウィメンズ・ロー・センター基金に1200万ドル(約18億6000万円)を寄付したほか、女性の性と生殖に関する権利に取り組む複数の団体に少なくとも1000万ドル(約15億5000万円)を提供している。
寄付の規模やスピードに影響を与えようとする、女性フィランソロピストの一群
メリンダは、自らの資産を使って資金不足の分野を支援するだけでなく、寄付の規模やスピードそのものにも影響を与えようとする女性フィランソロピストの一群に名を連ねている。米国の寄付額上位25人のうち6人は女性で、12組は夫婦(あるいは元夫婦)で活動しており、そのいずれも女性が主導、もしくは共同で慈善活動を担っている。
ジェフ・ベゾスとの離婚以降約4.1兆円を寄付した、マッケンジー・スコット
寄付の多様化やスピードアップを女性が牽引しているのは不思議ではない。資産・投資運用会社Iconiqで慈善部門を率いるマティ・ナヴェルーによれば、女性は寄付の意思決定が早く、金額も比較的大きい傾向があるという。なかでも際立つのがマッケンジー・スコットだ。彼女は2019年にジェフ・ベゾスと離婚して以降、7年足らずで264億ドル(約4.1兆円)を、ほとんど条件を付けずに寄付してきた。そのスピードは世界でも群を抜く。
こうした動きの背景には、創業者や富の創出者ではない立場の人々が、慈善活動において「より大きなリスク」を取ることに前向きだという事情もある。非営利団体Lever for ChangeのCEOで、メリンダやスコット、少なくとも3人のビリオネアから資金を集めるセシリア・コンラッドは、「自ら財を築いた当事者ではない分、資産に対する所有意識が比較的弱く、その結果、資金の使い方にも柔軟になりやすい」と指摘する。
富裕層の資金をまとめて運用する「「プールド・ファンド」「ギビング・サークル」などの仕組みが広がる
富裕層の資金をまとめて運用する「プールド・ファンド」「ギビング・サークル」と呼ばれる仕組みも広がりつつある。これは寄付先の選定や審査にかかる時間やコストを抑えられる点が特徴だ。フェイスブック共同創業者ダスティン・モスコヴィッツの妻で、これまで推定43億ドル(約667億円)を寄付してきた団体Coefficient Givingの会長カーリー・ツナは、「我々は近年、他の寄付者との連携により一層力を入れている。それはもともと私が思い描いてきたビジョンの一部だ」と語る。
メリンダも、「女性は集団で行動することの力を理解している。ギビング・サークルは、一般の寄付者が自らの資金をより大きな成果につなげる機会になる」と述べる。米国では今後、過去最大規模となる120兆ドル(約18600兆円)超の資産が世代間で移転されると見込まれており、その最大の受け手は女性になると予想されている。「慈善の観点から見て、彼女たちがその資金をどう活用するのかを見るのが待ちきれない」とメリンダは話す。


