サイエンス

2026.02.21 17:00

急増する高齢者のSNS利用、「依存と積極利用」の分かれ目そして認知機能への影響とは?

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高齢者とソーシャルメディアに関する議論は往々にして、画一的なアプローチを取りがちだ。それは、高齢者を「アルゴリズムにだまされやすく、精神的に圧倒され、救済を必要とする受動的な被害者」として位置付ける。しかし、高齢者を一様に「だまされやすい存在」とみなすのは、年齢を理由にした一種の偏見やステレオタイプ(エイジズム)であり、当事者を無視したパターナリズム的な対策の押し付け、上から目線のデジタルリテラシー推進活動、高齢者との対話ではなく一方的な伝達を前提としたコミュニケーション戦略を生むことになりかねない。

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高齢者のソーシャルメディア利用に関する議論が進む中で、意図性(志向性)を考慮した設計が今後の方向性のひとつになり得る。プラットフォームや公衆衛生キャンペーンは、高齢ユーザーには特別な監視・監督が必要だと決めつけるのではなく、たとえば「なぜスマートフォンに手を伸ばすのか」といったメタ認知的な自覚を育む支援を行うべきだ。

また、情報過多の問題と誤情報の問題を区別した戦略の導入により、高齢者は自力で考えることができないと決めつけず、情報過多に対応するためのフィルタリングツールを提供できるとともに、誤情報を鵜吞みにしないで客観的に受け止める枠組み作り(フレーミング)の支援が可能になる。

そして最後に、研究にあたっては高齢者を単なる研究対象・保護対象と位置付けるのではなく、高齢者自身のデジタル体験についての共同研究者として関与させるべきだ。エイジズムに根差した前提に基づいて考案された解決策は、常に的外れである。

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forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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