北米

2026.02.20 13:00

データセンター新設で「雇用が増加」、AIによる雇用喪失予想の一方で 米・建設業界

Shutterstock.com

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人工知能(AI)時代に雇用が今後どうなるのか、不安や強い焦りは尽きない。AI起業家のマット・シューマーは、X(旧ツイッター)で最近公開し、かなり取り上げられた論考で警鐘を鳴らし、AIが2020年2月から猛威を振るい始めた新型コロナと同等のダメージを与えるだろうと示唆した。Anthropic(アンソロピック)の共同創業者ダリオ・アモデイも昨年末、同じように悲観的な予測を示した。

それでもAIの急激な浸透に伴い、大規模で強力なデータセンターと、それに隣接する電力供給源が必要になっている。これらはAIだけでは計画も資金調達もできない。許認可取得のためのロビー活動や建設、警備や維持管理もできない。シューマーやアモデイらの恐ろしい予言は、ホワイトカラー職にとって良い兆しではないかもしれないが、建設やプロジェクト管理、エンジニアリング職の需要は急増しているようだ。

米労働統計局が発表した最新の雇用統計によると、建設業界は雇用が大きく増えた分野の1つで、中でもデータセンター建設に伴う雇用は3万3000人増えた。

世界のデータセンター部門が必要とする電力需要だけでも今後4年間でほぼ倍増すると見込まれており、供給は最大200ギガワット拡大する見通しだ。主に急増するAI需要に対応するためで、この他に大規模なクラウドの需要もある。

人事プラットフォームGusto(ガスト)のチーフエコノミストであるアンドリュー・チェンバレン博士はこれらの分野の雇用機会を分析した新たなレポートの中で、データセンターや電力施設の建設には「電気工や空調(HVAC)技術者、配管工、溶接工、ドライウォール職人、建設マネジャーなどさまざまな熟練工が必要であり、これらの職は長年米国の熟練技能労働者の中核を担ってきた」と述べている。

チェンバレンらのチームは、建設および技能職の7つの主要職種に焦点を当てて40万社以上の中小企業の給与データを分析。AIデータセンター建設が集中している米国の地方、いわゆる「ホットスポット」における賃金と雇用パターンを調査した。

「これらデータセンターのホットスポット地域では、熟練技能職の労働者が現在のAIインフラ投資ブームの恩恵を受けており、多くの職種で賃金が明らかに上昇し、採用も強化されている」というのが結論だ。AIデータセンターのホットスポット地域ではブルーカラー職の値金の中央値は7.1%高いことが研究で明らかになった。配管工、配管取付工、蒸気配管技術者については、ホットスポット地域の賃金は平均で20%高く、建設マネジャーも7%高い。

熟練技能職の労働者の雇用増加率は、ホットスポット地域とそれ以外の地域の両方でおおよそ25〜28%だった。だがGustoによると、ドライウォール職人の雇用はホットスポット地域で他地域よりも112%増えており、HVAC技術者も41%増で、これは空調管理の専門知識に対する現行の需要と一致している。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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