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2026.02.19 11:30

過酷な指導で物議を醸すロシアの名コーチが五輪に再登場 フィギュアスケート

ミラノ冬季五輪で選手の演技を見守るコーチのエテリ・トゥトベリゼ。2026年2月10日撮影(Qian Jun/MB Media/Getty Images)

ミラノ冬季五輪で選手の演技を見守るコーチのエテリ・トゥトベリゼ。2026年2月10日撮影(Qian Jun/MB Media/Getty Images)

金色に染めた髪に鋭い眼差し、傍らには新たな若き天才――。

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この人物は女子フィギュアスケートで過去2度の五輪王者を育ててきた。国を代表する10代の選手たちを表彰台へと導いてきた。そして、同じ選手たちが失敗して打ちひしがれるのを、自身は傷1つ負わずに眺めてきた。

これまでたびたび物議を醸してきたジョージア系ロシア人のフィギュアスケートコーチ、エテリ・トゥトベリゼは、五輪の氷上で再び選手を指導している。ロシアの女子フィギュアスケーターが世界を席巻してきた裏側で、トゥトベリゼはスター誕生を操る黒幕だった。

2014年ソチ冬季五輪で観客の心を奪った15歳の赤いドレスを着た少女、ユリヤ・リプニツカヤを覚えているだろうか? リプニツカヤはトゥトベリゼの教え子だった。18年の平昌冬季五輪で金メダルを懸けてアリナ・ザギトワとエブゲニヤ・メドベジェワが直接対決したのを覚えているだろうか? 両者はそれぞれ金メダルと銀メダルを獲得したが、2人ともトゥトベリゼに師事していた。

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そして、同コーチのもう1人の教え子、カミラ・ワリエワのことをどうして忘れられようか? フィギュアスケート史上最高の才能と評されるワリエワは、22年北京冬季五輪にトップスターとして登場した。ところが、ワリエワはドーピング疑惑を巻き起こし、メダルなしで五輪の舞台から去った。

一方、悪名高いトゥトベリゼは称賛を集め続けている。トゥトベリゼが国家栄誉と才能ある選手たちを次々と獲得する一方で、かつての教え子たちは五輪や世界選手権といった国際大会でのタイトル獲得の代償を払わされている。

使い捨てにされる教え子たち

トゥトベリゼの教え子たちの選手生命が概して短いことから、同コーチの指導法は世界中で批判にさらされてきた。米ニュースサイト、ビジネスインサイダーが「トゥトベリゼの賞味期限」と称した記事では、同コーチの教え子たちは負傷により10代後半という早期に引退を余儀なくされることが多いと報じられた。

フランスのスポーツ記者ネルソン・モンフォールは22年、「トゥトベリゼの教え子は18歳を迎えたことがない」と指摘した。「ある瞬間に現れて、次の瞬間には消えている。使い捨てのティッシュペーパーのように、1~2年使った後で捨てられてしまう」

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翻訳・編集=安藤清香

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