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2026.03.06 16:00

【前編】創業初期の“お金の混乱”をどう乗り越えるか。RISING STAR AWARD受賞者が語る「失敗と学び」

起業後すぐに事業を軌道に乗せたいのに、資金繰りに振り込みにとお金周りの実務は想像以上に経営者の時間を奪う。これらに解消法はあるのか。「RISING STAR AWARD」の歴代受賞起業家3人が語る、創業時から事業に専念するための指南。


起業家にとって最初のハードルとなるのは法人口座の開設だ。定款や事業計画書、印鑑証明といった数々の書類提出に加え、実績がない状況での面談において「何を売るのか」「誰に売るのか」「どのくらい資金が動くのか」など、事業が軌道に乗る前から、その事業を論理的に説明しなければならない。加えて、数週間を要する審査を経て口座開設ができないことも少なくなかった。

だが近年、三井住友銀行が提供する「Trunk」をはじめとするオンライン完結型の金融サービスが登場したことにより、法人口座の開設におけるボトルネックは一気に解消されようとしている。創業期特有の事情やスピード感に即した専用の機能が用意され、起業家を悩ませた「最初の足止め」を過去のものとし、起業家がより効率的に資金管理に当たることができる新しい流れが生まれつつある。

しかし、「Trunk」登場以前の世界で苦闘しながらバックオフィス体制を築いた起業家から学ぶことがないかというと、決してそうではない。本稿では、Forbes JAPAN主催「RISING STAR AWARD」受賞企業、TERASS 代表取締役社長 江口亮介(写真右。以下、江口)、at FOREST 代表取締役CEO小池友紀(写真中。以下、小池)、GOKKO CEO田中 聡(写真左。以下、田中)の3人が登場。創業期に直面した苦悩や決断のプロセスを紐解いていく。効率化する資金管理サ ービスを活用しながら、どのように事業成長を加速させていくべきか。3人が向き合った経験から、これからの起業家にとってのヒントを探ってみたい。

ビジネスを加速させる「決済インフラ」創業期に直面する見えないハードル

――まずは、創業当時の組織体制についてお聞かせください。

江口:TERASSは、デジタルを活用した次世代型の不動産エージェントプラットフォームの運営事業を展開しています。現在社員は160人ほどになりましたが、2019年の創業当時はCTOと2人だけでした。創業期はとにかくすべてが大変でした。ビジネスモデルの検証、資金集め、オフィス探し、人材採用と、やらなければいけないことが山積みで。社員数が30人程度になる2年目ぐらいまでは、システム開発以外の業務は私ひとりですべてを担当していました。社員の給与振込など、不慣れだったので手続きに時間がかかっていました。

小池:小池:私たちat FORESTは、歴史ある寺院をアライアンスパートナーに、墓標も何も残さずご遺骨を森林に還す循環葬®を手がけています。22年に創業した当時はCOOと私のふたりでした。私自身、この会社を起業する前は個人事業主でお金周りのことはある程度知識があったので、そんなに戸惑うことはなかったですね。ただ、メンバーを増やす計画を立てていたころにat FORESTの事業に賛同してくださったスタートアップのCFO経験のある方から「バックオフィスはしっかり体制を組んだ方がいい」とアドバイスをいただいていました。

田中:GOKKOは縦型ショートドラマに特化したクリエイター集団「ごっこ倶楽部」を運営している企業で、22年に創業しました。設立の前年から有志が手弁当でクリエイティブ活動をしていた流れで法人化に至ったのですが、当時社員は10人。僕たちのようなクリエイター集団の運営実務でいちばん大変なのは、経費精算。撮影に必要な備品の購入も数え切れないほど発生しますし、撮影現場で提供するケータリングの手配から支払いと、常にお金が動いている状況が続く。加えて、スタッフの給与振込に税金の支払いと、資金管理に日々、頭を抱えていました。

GOKKO CEO田中 聡
GOKKO CEO田中 聡

――会社設立時は、本業に集中したくても、それ以外の雑務に忙殺されてしまいがちです。なかでも、法人口座の準備やその後の運用については、どのような理想と現実のギャップがありましたか。

田中:実は、GOKKOは3社目の起業になります。1社目は個人口座のある銀行、 2社目は融資が受けやすい銀行を選びました。今回の3社目で第一に掲げたのは、オンライン完結です。理由は、現金を扱う社員の負担をなくし、すべての取引履歴をデジタルで完結させたいという理想があったからです。一方で、1社目、2社目の当時は現在のようなデジタル環境が整っておらず、審査のプロセスを含めて希望の銀行での開設に時間を要するなど、現実とのギャップに苦労した経験もあります。

小池:at FORESTが手がけている循環葬は、寺院や一般のお客様との接点が多いため、広く社会に認知されているメガバンクでの口座開設を検討していました。ですが、循環葬という前例がない事業であったこともあり、当時のメガバンクの審査をクリアするのはとても難しかったですね。

最終的には、積極的にスタートアップ支援を実施していた地方銀行で開設しましたが、当時はまだ紙ベースの事務フロ ーが中心でした。確認作業の一つひとつに時間を要することも多く、限られた人数で動く創業期においては、よりスムーズな口座運用の仕組みがあればと実感する場面もありましたね。

at FOREST CEO小池友紀
at FOREST CEO小池友紀

江口:弊社は信用が重視される不動産業界にいるため、当初からメガバンクを狙っていました。幸いにも支援を受けたベンチ ャーキャピタルの紹介があり、希望していた銀行で口座を開設することができました。当時は現在のようなオンライン完結の金融機関は選択肢が限られていたため、紹介という縁に救われた部分は大きいですね。

とはいえ、かつてのインターネットバンキングは、セキュリティの観点から設定の難易度も高かったですよね。銀行や口座の仕組みをまったく知らなかったわけではなか ったのですが、知識としてわかっているのと、実務で回すのとでは全然違う。PCへの証明書インストールやパスワード管理など、不慣れな環境に困惑してしまったことを覚えています。当時は、一度ロックがかかれば解除のために窓口へ向かう必要があり、物理的な制約を感じる場面も多か ったです。

田中:私も同じ経験をしました。ロック解除が反映されるまで一定程度の期間がかかってしまうなど、当時の慣習上仕方のないことではありましたが、やはりスピードを求める創業期にはプレッシャーでした。特に、個人的にいちばん恐ろしかったのは、資金不足よりも支払いの停滞でしたね。振込上限や手続きの工数で支払いが滞れば、取引先との信頼関係に直結してしまう。トラブルになる前に早く先方に連絡を入れなければと焦ったこともありました。

江口:バックオフィス業務をいかに効率化し、経営のリソースを事業に集中させるか。これはいつの時代も経営者の課題だと思います。現在のように、口座開設から運用までをスムーズに完結できる環境を整えることは、事業を加速させるうえで極めて重要な戦略と言えるのではないでしょうか。

TERASS CEO江口亮介
TERASS CEO江口亮介

勘違いによる未払いも

――創業期は経理関係業務の悩みは尽きないようですね。支払い管理などで肝を冷やしたような経験はありますか。

江口:過去には、請求書を破棄してしま っていたこともありました(笑)。当時は原本保管が求められているにもかかわらず、「スキャンしてデータがあれば問題ないだろう」と思い込んでいたんです。その後、資金調達に際して行われた調査で、担当者の方に「スキャンして捨てました」と伝えたときの驚いた表情は、今でも忘れられません。ほかには、社会保険料の支払いもヒヤリとしましたね。

田中:納付書ですね。数年前まで弊社も納付書で支払っていたのでよくわかります。納付書には「領収済通知書」と書いてあるので、支払いが終わっているものだと勘違いしてしまいがちですよね。

江口:そうなんです。用紙を見て「領収済」と書いてあるので、どこかのタイミングで払ったものだと思い込んでしまっていました。実際は未払いで、後日届いた督促状を見て、まとまった金額を支払うことになりました。あれは本当に肝を冷やしましたね。

小池:社員数が増えれば金額も大きくなるので、社会保険料の支払いは気をつけないといけませんね。

実際に有効な手段とはどんなものか。後編記事へ続く。


三井住友銀行
https://www.smbc.co.jp/hojin/kouza/


たなか・さとる◎GOKKO 代表取締役CEO。GOKKOでは、縦型ショートドラマを制作するクリエイター集団ごっこ倶楽部を運営。IP創出を目指し、縦型以外の長尺コンテンツや世界展開を視野に入れた取り組みなどを精力的に進める。

えぐち・りょうすけ◎TERASS 代表取締役CEO。「不動産エージェント」という新業態を7年で社員160名、所属エージェント850名規模の企業に急成長させた開拓者。売買仲介や人材マッチングなど業界の仕組みや慣習をDXで進化させる取り組みを主導する。

こいけ・ゆき◎at FOREST代表取締役。「森と生きる・森に還る・森をつくる」を合言葉にした「循環葬」という新しいエンディングの形を提案。寺院と連携し、森林での自然葬事業を展開する。現在、全国展開を視野に多拠点展開を推進中。

Promoted by 三井住友銀行 | text by Motoki Homma | photographs by Yuta Fukitsuka | edited by Aya Ohtou (CRAING)