なぜ「地球にやさしい」は企業の致命傷になり得るのか【脱やったつもりのサステナビリティ経営♯後編】

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広がる1880兆円の巨大市場──コストから「攻めの競争力」へ

私は仕事柄、企業の経営層やサステナビリティ部門の方々とよくお話をさせていただく。そうした方々の中には、「わが社では製品やサービスそのものが社会に価値を提供しているので、わが社のビジネスはサステナブルである」とおっしゃる方が非常に多い。

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こうした意見はもっともなもので、前述の通り人々のウェルビーイングは経済活動を通じて実現するものであり、どのような製品やサービスであっても、社会に価値を提供していることは間違いない。しかし、開発から生産、そして製品の使用に至るまで、バリューチェーン上のどこかで資源依存や環境負荷とデカップリングできていないプロセスがあれば、そのビジネスはサステナブルとは言えない。この観点が抜け落ちているのだ。

昨今、欧米でのサステナビリティ関連の政策変更や規制緩和によって、サステナビリティブームは終わったなどと言われることもある。しかし、サステナビリティはブームでもバズワードでもない。私たちが直面している課題の本質は、何も変わっていない。地球の有限なエネルギーや資源に依存し続ければ、事業を続けられないという、ビジネスの持続可能性の問題だ。

2030年までに達成すべき世界の目標、「SDGs(持続可能な開発目標)」の推進に向けては、多くの課題が存在する。しかしそれは、そこにいくつものイノベーションが生まれる可能性があることを意味する。「食料と農業」「都市」「エネルギーと材料」「健康と福祉」の4つのテーマに関わる60のビジネス領域で、12兆ドル(約1880兆円)の新たなビジネス機会があると言われている(※3)。

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正しいサステナビリティの理解は、サステナビリティを「守りのコスト」から「攻めの競争力」へと転換する機会になる。日本のビジネスリーダーの皆さんには、それを認識いただき、新たな商機を見出して、世界の競合に先んじる中長期の成長を実現いただきたい。

過去記事はこちら>>

※1 出典: PwC Japan有限責任監査法人「コーポレートサステナビリティ調査2022」
※2 出典:UNEP(国連環境計画)「 DECOUPLING NATURAL RESOURCE USE AND ENVIRONMENTAL IMPACTS FROM ECONOMIC GROWTH」
※3 出典:ビジネスと持続可能性委員会 「より良きビジネス より良き世界」

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