欧州

2026.02.19 08:00

ロシア、スターリンク代替で気球型5G中継局を試験 ウクライナは一部方面で反撃

ロシアが開発中の気球型5Gプラットフォーム「バラージュ-1」の打ち上げの様子とされる画像。通信アプリ「テレグラム」で共有された動画より

ロシアが開発中の気球型5Gプラットフォーム「バラージュ-1」の打ち上げの様子とされる画像。通信アプリ「テレグラム」で共有された動画より

米スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」は2月5日、ウクライナ政府と協力してロシア軍によるアクセスをブラックリストに登録した。その結果、前線部隊で広範な通信切断が発生した。ロシア軍はこれまで、指揮系統を通じた上層部への情報伝達や前線部隊への命令のための広域のデジタル接続をスターリンクに依存していた。

死活的に重要な通信に支障をきたしたことから、ロシア軍は代替手段の確保に追われている。ロシアメディアはこのほど、高速通信規格「5G」に対応した通信中継機器を成層圏に運搬可能な気球型プラットフォーム「バラージュ(阻塞気球)-1」の試験打ち上げが行われたと報じた。このシステムはスターリンクの一時的な代替手段として有望視されている。

無人成層圏プラットフォーム「バラージュ-1」とは

報道によると、バラージュ-1はロシアで開発中の「無人成層圏プラットフォーム」で、高度20〜30kmで運用され、最大100kgのペイロード(積載物)を搭載できるように設計されている。ロシアメディアでは「プラットフォーム」と説明されているが、実態は成層圏に浮かぶエアロスタット(軽飛行機)、つまりは高高度を飛ぶ気球であり、空力飛行ではなく浮力を利用して上昇・滞空する。

一般的な気象観測用気球と異なり、バラージュ-1は高度調節用の空気式バラスト(重し)システムを備えている。高度を変更することで、成層圏の異なる風の層を利用できるため、継続的な推進力がなくても、間接的な操縦や対象地域上空での相対的な位置の保持、大まかな軌道に沿った移動が可能になっている。

このシステムが特定のペイロード用に開発されたものなのかは不明だが、ロシアメディアは5Gの非地上系ネットワーク(NTN)機器を搭載できるように調整が進められていると伝えている。5Gに対応したNTN機器を搭載すれば、このエアロスタットは高高度の中継ノードとして機能し、広域接続の提供という点でスターリンクに似た役割を果たすことになる。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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