北米

2026.02.19 11:30

エプスタイン醜聞で米タレント事務所が崩壊の危機、創業者兼CEOの追放劇と3000億円売却の行方

ケイシー・ワッサーマン(Photo by Andreas Rentz/Getty Images)

疑惑への対応と、ロサンゼルス五輪組織委員会への影響

近年、ワッサーマン本人はロサンゼルスへの五輪招致に多くの時間を割いてきた。2017年に同市が開催地に選ばれて以降、彼は2028年ロサンゼルス五輪組織委員会(LA28)の会長を務めている。

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13日までは、ワッサーマンがこの問題をやり過ごすのではないかとの見方もあった。2024年に英紙デイリー・メールが複数の従業員との不倫関係を報じた際(本人は否定)、彼はその批判を乗り切っていたからだ。

マクスウェルとのメールが明るみに出た後、ワッサーマンは2月1日に声明を発表し、その後、以前から予定していた通り、ミラノとコルティナの五輪組織委員会の運営状況を視察するためにイタリアへ渡航した。LA28の最高意思決定グループ「LA28理事会」は先週、彼が「違法行為に関与した事実はない」として、全会一致で続投を支持すると発表していた。

チャペル・ローンが道徳観を重視し離脱を表明、アーティストの契約解除が続く

それでも、マクスウェルとのメールが明るみに出たことを受けて、コールドプレイやエド・シーランを担当するマーティ・ダイアモンド、ダフィー・マクスウィギンなどの有力エージェントは、ワッサーマンが退かない場合は退社も辞さない姿勢を示した。先週には、「ワッサーマン」のクライアント十数名がSNS上で彼のリーダーシップに不満を表明し、複数アーティストが実際に契約を打ち切った。ポップ歌手のチャペル・ローンは、「アーティストやエージェント、従業員が、自らの道徳観と深く相反する行為を擁護したり見過ごしたりすることを期待されるべきではない」とインスタグラムに投稿し、離脱を発表した。

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「ワッサーマン」音楽部門は、ケンドリック・ラマー、SZA、タイラー・ザ・クリエイターといった世界有数の高額報酬アーティストを抱えている。こうした大物アーティストの離脱が続けば、会社全体の評価額を押し下げかねない。フォーブスの推計では、同社の音楽部門は全体の売上の約4分の1を占め、黒字を確保している。

アーティストの離脱が相次ぎ、それがスポーツやエンターテインメント部門にも波及する可能性が高まったことが、最終的にワッサーマンの退任を早めた。女子サッカー界のレジェンド、アビー・ワンバックも12日、同社との関係を解消すると表明した。

ロサンゼルス市長のカレン・バス、「彼は辞任すべきだと考えている」

ワッサーマンは、退任を伝える社内メモで、今後はLA28での職務に専念すると述べていた。しかし、同委員会での役割は今後2年間、彼を引き続き世間の注目と監視の両方にさらすことになる。16日のCNNのインタビューにおいてロサンゼルス市長のカレン・バスは、LA28理事会がワッサーマン続投を支持した判断に反対する考えを示した。

「私に彼を解任する権限はないが、意見はある。私は、彼は辞任すべきだと考えている」。

forbes.com 原文

翻訳=上田裕資

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