サービス

2026.02.19 11:00

無料コンテンツが溢れる時代、有料を貫くアップルの戦略は「高品位へのこだわり」

米アップルでApple MusicやApple TV、スポーツ、ポッドキャスト、Beatsそして国際部門を統括するバイスプレジデント、オリバー・シュッサー氏に単独インタビューを行った

ポッドキャストも大きく変わる

インタビューの最後に、アップルが2月16日に発表したHTTP Live Streaming(HLS)テクノロジーを活用する新たなビデオポッドキャスト体験の展望について、ポッドキャスト事業部門の責任者でもあるシュッサー氏に聞いた。

advertisement

創業者であるスティーブ・ジョブズ氏が2005年の世界開発者会議(WWDC)の基調講演で、iTunesへのポッドキャスト統合を発表して以来、アップルはポッドキャストの普及と発展に大きく貢献してきた。ポッドキャストの語源は、アップルのポータブルオーディオプレーヤーであるiPodと、放送を意味するBroadcastを掛け合わせた言葉として広く知られている。

2025年にiTunesでの公式サポート開始から20周年を迎えたポッドキャストは、進化の過程でiOSの「Apple Podcasts」アプリとして独立した。RSSフィードを利用して、動画によるビデオポッドキャストやミュージックビデオのようなコンテンツを配信する仕組みも提供されている。

シュッサー氏によれば今回発表されたアップデートにより、Apple Podcastはビデオ体験は新たなフェーズに突入するという。最大の特徴は、ビデオとオーディオのシームレスな切り替えを可能にする新しいフォーマットの導入だ。ビデオとオーディオを別々のファイルとして扱うのではなく、ひとつの体験として統合している点が画期的だ。

advertisement
HTTP Live Streaming(HLS)テクノロジーの導入により、音楽・ビデオの両形式でつくられるApple Podcastのコンテンツをよりシームレスに楽しめる環境が整う
HTTP Live Streaming(HLS)テクノロジーの導入により、音楽・ビデオの両形式でつくられるApple Podcastのコンテンツをよりシームレスに楽しめる環境が整う

「ビデオポッドキャストを視聴している途中で、iPhoneをポケットに入れてもそのままオーディオへとスムーズに移行します。完全にシームレスな体験を提供します」

ビジネスモデルの面でも、コンテンツクリエイターが自身でビデオ広告をコンテンツに挿入して収益化できる仕組みを導入する。シュッサー氏はポッドキャストを視聴者にだけでなく、クリエイターにとっても魅力あるプラットフォームへと進化させることが重要であると説いた。

HLSテクノロジーを活用する新しい仕組みは、今春に予定する次期OSのアップデートを経てiPhone、iPad、Apple Vision Proのユーザー、およびウェブ版のApple Podcastから導入される。

インタビューを通じてシュッサー氏は、日本の音楽やエンターテインメント文化への深い敬意と愛情を繰り返し示しながら、今後もアップルの各サービスを通じて日本発のコンテンツを世界へ広げていく支援を続ける姿勢を強調した。ローカルとグローバルを結ぶ「架け橋」となること。それは、アップルのようなコンテンツプラットフォーム企業が果たすべき本質的な使命と言える。今後の展開にも注目したい。

連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
過去記事はこちら>>

編集=安井克至

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事