なお、Apple Music Classicalの概要については筆者が2024年1月にインタビューした、デジタルテクノロジーにも精通するトップ・ピアニスト、角野隼斗氏へのインタビュー記事も合わせて参照してほしい。
音楽検索「Shazam」が捉えるヒットの兆し
SNSの普及とネットミームの台頭により、音楽のヒットが生まれる構造は従来の「トップダウン」から、ユーザー主導の「ボトムアップ」へと変わりつつある。
シュッサー氏は、この変化をリアルタイムで把握するための重要なツールとして「Shazam」が大事な役割を果たしていることを強調する。
Shazam(シャザム)は、ユーザーの周囲で流れている音楽に関連する情報を、デバイスに音楽を“聴かせて”認識することで簡単に検索できるアプリサービスだ。1999年に携帯電話を活用するSMSサービスとして始まり、2017年にアップル傘下のサービスとして深く統合された。現在はアップルのデバイスをはじめ、Android用アプリでも活用できる。
「Shazamの検索データは、音楽業界におけるヒットの早期指標として機能しています。カフェやバーで流れる楽曲に興味を持ったユーザーが、その場で検索を行うことで生成されるデータは音楽トレンドの現状を正確に反映します。これらの蓄積された情報は、Apple Musicのエディターをはじめとするコンテンツ制作担当者が、市場の動向を把握するための重要なリソースにもなっています」
現在、ShazamはApple Musicと深く統合されており、月間3億2500万人以上のアクティブユーザーを獲得する巨大な音楽発見プラットフォームを形成している。2月9日に米国で開催されたアメリカンフットボールリーグの頂上決戦、スーパーボウルのハーフタイムショーを盛り上げたプエルトリコのミュージシャン、バッド・バニーの楽曲をShazamで検索するとアップルが特設したイベントページに移り、iPhoneの壁紙などボーナスコンテンツが入手できるキャンペーンも展開された。


