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2026.02.23 13:00

AIはツールから「インフラ」へ、今後10年の競争優位を決定づける「5つのトレンド」

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トレンド2:スーパーアプリが競争戦略を再定義する

現在のAI移行を象徴するテーマを1つ挙げるとすれば、それはAIファーストのスーパーアプリ・エコシステムの加速である。

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このモデルを先導したのはアジアだ。中国のWeChatとAlipayは、メッセージングと決済から出発し、商取引・金融・顧客対応を包括するデジタル環境へと拡大した。韓国のKakaoTalkとNaverは日常のワークフローにAIアシスタントを組み込み、東南アジアのGrabやGojekは移動・配送・金融サービスを高度にパーソナライズされたデジタルエコシステムへと融合させた。

北米のテクノロジー企業は、既存プラットフォームにAIを重ねる形で対応している。アップルはデバイス上とクラウド上の知能を融合させ、統合されたユーザー環境を構築している。グーグルはGeminiを通じて検索・生産性・消費者向けサービスを連携させている。マイクロソフトはCopilotを、企業向け・消費者向けソフトウェア環境を横断する統一インターフェースとして位置づけている。

こうしたエコシステムの中で、ローカライゼーション(現地化)が競争上の差別化要因として台頭しつつある。地域の革新者たちは、AIプラットフォームを現地市場の動態と文化的行動様式に合わせて設計できることを示している。トルコでは、Yandexが統合型AIアプリ「Yandex AI」を投入し、言語的・文化的なユーザー特性に合わせた会話型検索・ブラウジング・生成メディア制作を組み合わせている。このアプローチは、純粋なグローバル規模ではなく地域に根ざした採用戦略で競争する、地域密着型AIプラットフォームへの広範なシフトを映し出している。

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同様のローカライゼーション戦略は、成長著しいデジタル経済圏でも広がっている。インドのReliance Jioは、世界最速クラスで成長するデジタル人口に向けて、商取引・決済・メディアサービスを統合する大規模なAIエコシステムの構築を進めている。ラテンアメリカでも、NubankやMercadoLibreなどの企業が、地域の消費者行動を反映した金融サービスや物流プラットフォームにAIを組み込んでいる。

AIオーケストレーション(複数のAIサービスを統合管理する)プラットフォームも世界規模で台頭しており、AIが統一された会話型インターフェースを通じて複数のデジタルサービスを調整する近未来が示唆されている。アナリストは、乱立するアプリ環境が統合されたAI主導の運用基盤へ集約されることで、20〜30%の効率向上がもたらされる可能性があると考え始めている

経営リーダーにとって、この変革はソフトウェア調達をはるかに超える問題だ。経営幹部は今や、自社固有のAIエコシステムを構築するか、外部プラットフォームに深く統合するか、ハイブリッドなパートナーシップ戦略を取るかという戦略的決断を迫られている。いずれの選択も、顧客へのアクセス、データの所有権、市場での影響力について長期的な含意を伴う。

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翻訳=酒匂寛

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