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2026.02.25 08:30

世界2位のナベルが挑む売上高1000億円 卵生産の垂直統合モデル:南部隆彦×入山章栄

南部隆彦|ナベル

「あるやつ全部、取ってこい」

入山:我々がスモール・ジャイアンツアワードの審査で見ている3つの評価ポイントは、今お話しいただいた「グローバル市場の開拓」、そして「地域への貢献」、最後が「稼ぎ続ける力」なんですね。グループで売上高が100億円を超えたということですが、これからもっと成長し続けられるのかどうか。南部さんとしては、どういうイメージをもっていますか。

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ナベルのグループ売上高は2024年3月期に100億円を突破した。海外売上比率もここ数年で飛躍的に伸び、約半分となっている。
ナベルのグループ売上高は2024年3月期に100億円を突破した。海外売上比率もここ数年で飛躍的に伸び、約半分となっている。

南部:長期の計画になりますが、20年後、グループ全体で売上高1000億円を目指しています。

入山:20年後に10倍ということですね。

南部:やっぱりどこにその旗印を置くかで、短期的な動きも変わってくると思っているんです。「2045年に売上高1000億円」という数字は、実際、僕が社員みんなに伝えているものです。ただ、例えば1年後とか5年後の数字は、僕からは一切提示しない。各部門でどれだけやりたいかを自分たちで考えてくれ、と。そしてその目標も、もちろん達成したほうがいいけれど、達成できなくても「ほな来年どうしよう」と考えればそれでいいというスタイルです。

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入山:面白い経営スタイルですね。

南部:これは、装置産業ゆえの「数字の積み上げの難しさ」というものがあって、結局のところ、お客さんの都合で売り上げが決まってしまうのです。例えば、今期契約を取れるはずだった計画がお客さんの都合で遅れた場合、「計画を立て直して、目標達成せよ」というのが一般的に営業マンに課される任務です。でも僕らの場合、特に国内であれば、お客さんの設備投資の状況はおおよそ把握しているんです。だから、突然どこかの装置がなくなるとか、魔法みたいなことが起きない限りビハインドから挽回できない。そこで、短期的な目標達成にこだわるのはやめて、もっと厳しいかもしれないけど、とにかく顧客やニーズを「あるやつ全部、取ってこい」というのが我々の目標です。

入山:大きな旗印は掲げるけれど、毎年の数字にはそこまでこだわらない。大目標に届くための工夫を、現場の社員に促すという経営スタイルということですね。

南部:最初からそうだったわけではなくて、「こういうスタイルのほうがみんながやりやすいんじゃないか、モチベーションを保てるんじゃないか」と、ずいぶん試行錯誤して、今のスタイルに変わっていきました。

卵の容器の供給から箱詰め、箱積みなどの作業をロボットで自動化。労力のかかる作業を自動化することで、現場の負担軽減や安定したパフォーマンスを実現。
卵の容器の供給から箱詰め、箱積みなどの作業をロボットで自動化。労力のかかる作業を自動化することで、現場の負担軽減や安定したパフォーマンスを実現。
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文・構成=中居広起 写真=ヤン・ブース

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