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2026.02.17 23:30

ロシア女子フィギュア期待の新星、ペトロシャンが五輪の舞台へ

ロシア出身のアデリヤ・ペトロシャン。2025年9月20日撮影(Tang Xinyu/VCG via Getty Images)

ロシア出身のアデリヤ・ペトロシャン。2025年9月20日撮影(Tang Xinyu/VCG via Getty Images)

ロシアのアデリナ・ソトニコワが2014年ソチ冬季五輪で金。ロシアのアリナ・ザギトワが18年の平昌冬季五輪で金。ロシアのアンナ・シェルバコワが22年の北京冬季五輪で金——。連勝の波は疑いようもなく、破られることなどないように思われた。

史上最高の女子フィギュアスケーターと評される韓国の「女王」キム・ヨナの引退以来、ロシア人女子選手が五輪の女子シングルを席巻している。

ロシアの女子フィギュアスケーターは14年以降、全ての冬季五輪で金メダルを獲得してきた。14~21年にかけて、ロシアの女子選手は毎年開催される世界フィギュアスケート選手権7大会中5大会で優勝している。

14年のユリヤ・リプニツカヤ、18年のエブゲニヤ・メドベジェワ、22年のカミラ・ワリエワ、同年のアレクサンドラ・トルソワといった五輪の金メダルを逃したロシア人選手たちも、世界中の観客を魅了した。

ロシア女子フィギュアスケーターは比類なき跳躍力で知られ、その多くが物議を醸すコーチ、エテリ・トゥトベリゼ率いるクラブ「サンボ70」の出身だ。過去10年間の五輪または世界選手権の優勝者のうち、1人を除く全員がトゥトベリゼの下で育った。

だが、サンボ70は脱水症状や飢餓状態を助長し、過酷で負傷を招く訓練を強いているとの報告が相次ぎ、トゥトベリゼの指導法は近年、大きな批判を浴びている。同コーチの教え子たちは、見事な輝きを放つがはかなく過ぎ去って行き、死にゆく星のように見える。

トゥトベリゼは22年の北京冬季五輪期間中、ワリエワのドーピング疑惑に関与したことで物議を醸した。その余波を受け、多くの選手が懸念を表明した。

カナダのフィギュアスケートコーチ、ロマン・アグノーは、トゥトベリゼが「虐待的で軍隊のようだ」と指摘。もしトゥトベリゼがカナダで指導しようとすれば「子どもたちに近づくことすら許されないだろう」と批判した。

ロシアの軍事侵攻で途絶えた王朝

2022年2月にロシアがウクライナに侵攻したことを受け、国際スケート連盟(ISU)が翌月、ロシア人選手全員の出場を禁止したことで、トゥトベリゼの教え子たちの世界選手権連覇は途絶えた。

ロシア人の出場禁止措置は現在も続いているが、一部の選手は個人中立選手(AIN)としてミラノ・コルティナ冬季五輪への出場が認められている。指導法を巡る論争が続いているにもかかわらず、トゥトベリゼは現在も複数のエリート選手を育成し続けており、今回のミラノ五輪にも姿を見せている。

そんな中、トゥトベリゼの次なる天才児が現れた。AINとしてミラノ冬季五輪に出場するアデリヤ・ペトロシャンだ。

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翻訳・編集=安藤清香

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