経営・戦略

2026.02.19 15:00

ジェニファー・ガーナー参画の「子ども向け有機食品ブランド」がIPO、時価総額1100億円規模に

(写真左から)創業者のカサンドラ・カーティス、CBOであり女優のジェニファー・ガーナー、CEO兼共同創業者のジョン・フォレイカー(Photo by JB Lacroix/Getty Images)

「当社は急成長中で、強いブランド力を持つ企業だ。今後の成長余地も大きい」とフォレイカーは語った。彼はまた、米小売市場で子ども向け食品が年間約500億ドル(約7兆7500億円)売れていることを引き合いに出し、「当社の商品が展開しているのは、そのうち110億ドル(約1兆7000億円)分のカテゴリーにすぎない」とも語った。

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食品業界関係者は、今回のOnce Upon A Farmの上場を重要な節目と受け止めている。健康志向の消費関連企業に資金を投じる投資家は多いものの、コロナ禍以降、そうした企業の上場は多くなかったためだ。

ただし、Once Upon A Farmはまだ黒字化を果たせていない。同社は2025年9月期に5200万ドル(約80億6000万円)の純損失を計上しており、損失は2022年の1900万ドル(約29億4500万円)の赤字から、この2年間で拡大した。背景には、新規の食料品店への展開と既存店での売り場拡大のコストがある。同社は棚を確保するための費用、特に食料品店に支払うスロッティングフィー(棚確保費用)の負担を増やしてきた。

販売店舗数を急拡大、8500店に

9年前にガーナーとフォレイカーを迎え入れて以来、Once Upon A Farmの事業は一気に加速した。映画『13ラブ30 サーティン・ラブ・サーティ』やドラマ『エイリアス』で知られる人気女優ガーナーは、「母親として自分が実際に直面した問題を解決する側に回りたかった」と語る。そうした思いから同社に加わった彼女は、ブランドの顔として前面に立つ存在となった。

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フォーブスの推計によると、ガーナーは映画やテレビ出演に加え、金融機関キャピタル・ワンやボディケアブランド、ニュートロジーナのCM契約などを通じ、これまで少なくとも1億2500万ドル(約193億8000万円)を稼いできた。2014年からキャピタル・ワンの広告塔を務める彼女は、同社のクレジットカードとOnce Upon A Farmを組み合わせたクロスオーバー広告にも出演している。

一方、フォレイカーは、2012年にアニーズを上場させ、2年後にゼネラル・ミルズへの売却を主導した後もCEOとして同社を率いた実績を持つ人物だ。彼は、Once Upon A Farmではエンジェル投資家として最初に出資した支援者でもある。ガーナーが参画したことで、フォレイカーも本格的に経営にコミットする決断を下した。

フォレイカーが最初に手をつけたのは流通網の拡大だった。彼が加わった当時、Once Upon A Farmのコールドプレス製法によるオーガニック製品は、わずか350店舗でしか販売されていなかった。だが就任から1年足らずで、店舗数は約8500店にまで拡大し、2300%超の増加を記録した。フォレイカー自身は「ルールをすべて破った」と振り返る。

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翻訳=上田裕資

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