欧州

2026.02.17 16:30

ロシア軍、スターリンク遮断に続きテレグラムでも障害 「法令違反」で当局が速度制限

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米シンクタンク、新アメリカ安全保障センター(CNAS)の非常勤シニアフェロー、サミュエル・ベンデットは筆者の取材に「彼らはみな政府に怒っています」と説明した。「状況をやり過ごそうとしている者もいれば、MAXにもチャンネルを開設してリスク分散を図っている者もいます。しかし彼らはまた、MAXはテレグラムの機能性とはほど遠い状態にあり、この先それに到達することも決してないのではないかとも言っています」

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ベンデットによれば、ロシア軍とつながりのある複数のチャンネルで批判が広がっているものの、全体的なトーンは反発というよりも諦観に近いものだという。「現時点では、政府の決定は最終的なもののように見えます」

ロシアによるウクライナでの戦争が5年目に入ろうとするなか、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は戦略上のジレンマに直面している。プーチンは、ロシア軍はなお勝利する方向にあると考えているようだが、クレムリンは同時に国民の間のきしみや疲弊の兆候を監視している。

カーネギー国際平和財団のシニアフェロー、マイケル・コフマンは英紙フィナンシャル・タイムズに「プーチンの賭けは、広範な前線に圧力をかけ続ければいずれウクライナ側が崩壊するというものです」とコメントしている。

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だが、その圧力は莫大な代償を伴っている。ドイツの対外情報機関である連邦情報局(BND)は、ロシアの2025年の軍事支出はおよそ2500億ユーロ(1ユーロ=85ルーブルで計算。約21兆2500億ルーブル=約42兆5000億円)にのぼったと見積もっている。これは連邦予算のおよそ半分に相当する。BNDは、ロシアの実際の軍事支出は政府発表よりも66%多いと評価している。

ロシアの調査報道機関で現在は国外に拠点を移している「ジ・インサイダー」は、ロシアの全体的な経済状況が悪化していると報じている。「ロシア経済は2026年を前年にも増して深刻な状態で迎えた。GDP(国内総生産)は減少し、原油価格は破格の安値水準にある。ルーブル高も相まって、財政赤字はさらに拡大するだろう」

クレムリンによる通信統制の強化は孤立した動きではない。アナリストらは、ロシアは他国での抗議行動への対応をさらに熱心に研究するようになっていると指摘している。それにはイランでの広範な抗議デモの事例も含まれる。イラン当局はインターネットの遮断や通信トラフィックの制限によって動員を抑え込んだ。

プーチンは他国の対応から引き出した教訓を国内に適用しており、自軍の通信を面倒なものにするリスクを冒してでも情報空間の統制強化を優先している。

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イラン、史上初の衛星インターネット遮断 スターリンクに「キルスイッチ」発動

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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