欧州

2026.02.17 16:30

ロシア軍、スターリンク遮断に続きテレグラムでも障害 「法令違反」で当局が速度制限

Shutterstock.com

Shutterstock.com

ロシアの通信網が新たな障害に直面している。ロシアの軍人や戦争支持派の論者らにも広く利用されているメッセージングプラットフォーム「テレグラム」に対して、規制当局が通信速度の制限に踏み切った。この措置は、米スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」のロシア軍による利用が遮断されたことに続くもので、前線部隊による作戦の調整をめぐって新たな懸念を呼んでいる。

ロシアの通信規制当局ロスコムナゾールは、通信速度制限が必要になったのはテレグラム側がロシアの法律を順守しなかったためだと説明している。地元メディアのRBCによると、ロスコムナゾールはテレグラムには詐欺対策やユーザーデータの保護、ロシア国内のサーバーへの情報保存といった点に不備があるとし、速度制限に続き段階的にさらに制限を課していく方針だという。

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は国営のタス通信に、通信速度の低下はテレグラムが法令を順守していないことの結果だとし、運営元に対して遺憾の意を示した。

テレグラムは戦場でも重要なツール

ロシアの戦争努力でテレグラムが果たしている役割は、たんなる「メッセージングアプリ」にとどまらない。それはロシア軍の非公式の指揮チャンネルでもあればドローン(無人機)の調整ツールでもあり、また前線部隊や戦争支持派のブロガーにとってリアルタイムの情報源にもなっている。

このところスターリンクへのロシア軍のアクセスに支障が出ているため、部隊は即席で寄せ集めの通信システムへの依存を強めている。ウクライナ当局によれば、ロシア側がウクライナ人捕虜の親族を脅してスターリンクの端末を登録させようとする事例も報告されている。

ロシアの複数の戦争支持派論者からは、テレグラムに対する新たな制限は問題をさらに悪化させかねないとの懸念が出ている。テレグラムの通信速度低下は部隊間の連携を損ない、すでに脆弱な通信をさらに困難にすると危惧されている。

ロシアで最も有名な戦争支持派テレグラムチャンネルのひとつに数えられ、およそ120万人のフォロワーを誇る「大天使スペツナズ(アルハンゲル・スペツナザ)」は、テレグラムの速度低下は戦場の既存の通信網を混乱させるおそれがあると警鐘を鳴らした。ロシア当局が代替メッセージングアプリとして、政府が後押しする「MAX(マックス)」の利用を推奨する一方、2月9日以降、ロシアのテレグラムユーザーの間では不具合が広く報告されている。

SEE
ALSO

経済・社会 > 欧州

ウクライナ軍が南部で「反攻」とロシア主張 スターリンク制限と絡めナラティブ戦展開

次ページ > 前線の偵察データのやり取りにすでに遅れが生じているもよう

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事