クロイツ群とは?
発見者にちなんで命名されたクロイツ群は、数千個の小さな彗星と数個の大きな彗星が属する天体の分類だ。その起源は、紀元前362年に太陽に接近しすぎて分裂した巨大彗星の破片だと考えられている。
クロイツ群の彗星は何世紀にもわたって分裂を続けながら、太陽をかすめる類似した軌道を維持している。このため近日点では太陽に非常に接近し、特に明るく輝くのだ。1843年と1882年に観測された大彗星や、1965年の池谷・関彗星に代表されるように、これまで観測されたクロイツ群彗星は長く明るい尾を形成し、マイナス等級まで増光して白昼でも目撃できるほどになった事例もある。
MAPS彗星、どこまで明るくなる?
MAPS彗星が太陽接近時に崩壊せず持ちこたえれば、すばらしい天体ショーが見られるかもしれない。
近日点通過は2026年4月4日頃と見込まれ、太陽の表面から20万km以内まで接近すると予測されている。これは天文学的基準で太陽の大気圏深部に相当するため、太陽の強烈な熱と重力に彗星が耐えきれず、近日点に到達する前に消滅してしまう恐れは否定できない。しかし、無事に近日点を通過できれば、最も明るい時の金星に匹敵するマイナス4等級まで増光する可能性がある。
ただ、クロイツ群彗星にはもう一つ欠点がある。太陽に極めて接近するため、かなり明るくなっても観測が非常に難しいのだ。
MAPS彗星はいつ、どうやって観測する?
MAPS彗星の観測はなかなか容易ではなさそうだ。4月4日の位置は、北半球の中緯度地域から見て太陽からわずか2~3度、腕をまっすぐ前に伸ばした時の親指の幅ほどしか離れていない。南半球からは3月下旬に大型望遠鏡で観測できる可能性がある。いずれにせよ、彗星は明るくなった後、急速に暗くなる。
なお、たとえ彗星の核が分裂してしまっても、4月4日から1週間ほどは夕暮れの西の空に長く明るい尾が見えるかもしれない。それが最大の見どころになる可能性は高い。


