WOMEN

2026.02.16 18:00

日本の高市早苗首相も選出、新時代をつくる『50歳以上の女性50人』2026年版

時代をつくる「50歳以上の女性50人」2026年版に選出された、高市早苗首相(carlos110/Shutterstock.com)

シルパ・ヤルカネン(71)

◯トゥルク大学免疫学教授◯国籍:フィンランド

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フィンランドのトゥルク大学の免疫学者、シルパ・ヤルカネンは、がんや有害な炎症を引き起こす細胞の移動メカニズムと、それらを治療する療法の研究に取り組んできた。彼女の研究成果は、11件の特許取得と、バイオ・タイ・セラピーズおよびロンドン証券取引所に上場するファロン・ファーマシューティカルズという2社のバイオテック企業の設立につながった。ヤルカネンは、両社の共同創業者に名を連ねているものの、自身の日常の活動の場を学術界に置いている。これまでに査読付き論文を300本以上発表。彼女は、2024年には急性骨髄性白血病(AML)と骨髄異形成症候群(MDS)を対象とする治療法の初期臨床試験を成功させ、欧州発明家賞の最終候補に選ばれた。

マーガレット・カオ(74)

◯マーケテック・インターナショナル会長兼CEO◯国籍:台湾

マーガレット・カオは、マーケテック・インターナショナルの創業者である。以前の勤務先がユナイテッド・マイクロエレクトロニクス(UMC)と台湾積体電路製造(TSMC)をスピンオフさせてから約10年が経過したタイミングで、両社の半導体工場に必要な特殊材料や装置を供給するために同社を立ち上げた。1988年に同僚とともに会社を創業した当時、彼女は「突破口」を探していたという。マーケテックはその後、半導体、光電子、バイオテクノロジー業界向けに高度な装置やターンキー型施設・サービスを提供するグローバルサプライヤーへと成長した。台北に本拠を置く同社の売上高は2024年、前年比8%増の607億台湾ドル(約3035億円。1台湾ドル=5円換算)に達し、5年連続の増収を記録した。カオは、同社の6%の株式を保有している。

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ジェイミー・クー(61)

◯デイワン・データセンターズCEO◯国籍:シンガポール

ジェイミー・クーは、デイワン・データセンターズのCEOを務めており、「AI分野では非常に多くの動きが起きている」と語る。データセンター業界のベテランである彼女は2025年、上海を拠点とするデータセンター大手GDSホールディングスの国際部門トップに就任した。GDSはその後、デイワン・データセンターズをスピンオフし、クーがそのCEOに就任した。デイワンは現在、合計容量350メガワットのデータセンター14施設を運営しており、その大半は中国や米国のハイパースケーラーが利用している。同社はこれまで19億ドル(約2907億円)の資金を調達しており、約40億ドル(約6120億円)の融資を確保して事業拡大を進めている。

アマンダ・ラケーズ(63)

◯ライナス・レアアースCEO兼マネージング・ディレクター◯国籍:オーストラリア

アマンダ・ラケーズは、赤字続きだった鉱山会社ライナス・レアアースを世界的企業へと変貌させた。通信業界出身の彼女は2014年、同社40年の歴史で初の女性CEOに就任し、中国が支配するレアアース市場に挑んできた。世界最大のレアアース採掘・精製国である中国が2025年12月から供給を引き締めたことで、同社は一躍注目を集めた。ビリオネアのジーナ・ラインハートの支援を受けるライナスの2025年の売上高は、5億5650万豪ドル(約601億円。1豪ドル=108円換算)に達した。現在、世界第2位のレアアース生産企業となった同社は、中国以外で唯一の大規模生産者となっている。

イ・ミギョン(67)

◯CJグループ副会長/ファースト・ライト・ストーリーハウス共同創業者◯国籍:韓国

韓国映画のグローバル化を牽引してきたエンタメ界の重鎮、イ・ミギョンは、2019年の映画『パラサイト 半地下の家族』のプロデューサーを務めたことで、世界的にその名を知られるようになった。同作は2020年、非英語作品として初めてアカデミー賞作品賞を受賞した。しかし彼女の影響力はそれ以前から知られていた。1994年に韓国の財閥CJグループのエンターテインメント部門を設立し、同時期にドリームワークスの創業投資家にも名を連ねた。彼女は現在、CJグループの副会長を務めるほか、2025年7月にはアジア系およびアジア系アメリカ人の物語に焦点を当てる制作レーベル、ファースト・ライト・ストーリーハウスを共同創業した。「アジアのストーリーテラーによる近年の成功は、彼らの物語が本物であることを示している」とイは当時語っていた。

アンナ・マリア・マイオリーノ(83)

◯アーティスト◯国籍:ブラジル

イタリア生まれのアンナ・マリア・マイオリーノは、ブラジルを拠点に活動。2025年、芸術家として最初の個展を開いてから61年を経て、パリの国立ピカソ美術館で初のフランスにおける個展を開催した。ブロンズ、鉄、セメント、キャンバスなど多様な素材を扱い、詩・映像・絵画・大規模インスタレーションなど幅広い表現手法を用いている。マイオリーノは、2024年にはヴェネツィア・ビエンナーレで生涯功労金獅子賞を受賞した。

バルバラ・ムッケルマン(52)

◯ケンピンスキー・グループCEO◯国籍:モナコ

バルバラ・ムッケルマンは2024年、ヨーロッパ最古の高級ホテルチェーンのケンピンスキー・グループのトップに就任した。1897年創業の同グループにおいて、史上初の女性CEOである。彼女は現在、世界約30カ国で2万室超を展開する約80のホテルおよび長期滞在型レジデンスを統括している。イタリア生まれでモナコを拠点とするムッケルマンは、クルーズ業界や高級旅行業界で長年のキャリアを積んだ後にケンピンスキーに加わった。これまでロイヤル・カリビアンやMSCクルーズなどで要職を歴任しており、5カ国語を流暢に操る。

ホープ・ミューア(54)

◯カナダ国立バレエ団芸術監督◯国籍:カナダ

ホープ・ミューアは、2022年にカナダ国立バレエ団の芸術監督に就任した。約20年にわたる米国と英国でのクラシックおよびコンテンポラリーバレエの舞台での活躍を経て、指導とマネジメントの道に進んだ。15歳のときにロンドン・フェスティバル・バレエ学校(現イングリッシュ・ナショナル・バレエ学校)に合格。卒業後に同バレエ団に入団し、若い頃から将来を嘱望されてきた。現在彼女は多忙な公演・ツアースケジュールを統括している。2024年にカナダ人振付家ウィリアム・ヨンに制作を依頼した『UtopiVerse』は、カナダ国立バレエ団のメインステージで上演された初のアジア系振付家による作品となった。

サラ・ムラーリー(63)

◯カンタベリー大主教◯国籍:英国

1400年の歴史を持つ英国国教会は2025年10月、史上初の女性大主教としてサラ・ムラーリーを任命した。彼女は、2026年3月にカンタベリー大主教に就任し、165カ国・約8500万人の聖公会信徒を率いることになる。ムラーリーは2018年からロンドン初の女性主教を務めている。聖職に専念する以前の35年間は看護師として働き、英国史上最年少で主席看護官に就任していた。2005年には医療と助産分野への貢献が評価され、デイムの称号を授与された。

プリヤ・ナイール(53)

◯ヒンドゥスタン・ユニリーバCEO兼マネージング・ディレクター◯国籍:インド

ヒンドゥスタン・ユニリーバは、時価総額690億ドル(約10.6兆円)という、インド最大手の消費財企業だ。2025年夏、同社初の女性CEO兼マネージング・ディレクターとしてプリヤ・ナイールを指名した。石けんから紅茶まで幅広い商品を扱う同社は、グローバル大手ユニリーバの子会社だ。約30年前に同社に入社したナイールは、営業やマーケティング部門を経て海外勤務も経験した。だが、彼女には難題が待ち受けている。売上高73億ドル(約1.1兆円)規模の同社は、この2年間、売上と利益の伸びが一桁台にとどまっている。「より現代的で魅力的、そして若々しい」ブランド戦略を掲げるナイールは、デジタル化を加速させている。

メンディ・ンジョンジョ(53)

◯KCB財団マネージング・ディレクター◯国籍:ケニア

メンディ・ンジョンジョは、東アフリカ有数の金融機関KCBグループの慈善部門であるKCB財団を率いている。2023年の同財団トップへの就任以降、教育支援と経済的包摂のプログラムを拡充。特に、ケニア全土で数千人の高校生と数百人の大学生を支援する奨学金制度を強化している。彼女の指導の下で、KCB財団は雇用や起業への移行支援にも力を入れ、大手銀行の規模と資源を活用しながら、社会的流動性の向上を具体的な成果へと結びつけている。

レスリー・ロッコ(61)

◯アフリカン・フューチャーズ・インスティテュート創設者兼ディレクター◯国籍:ガーナ

スコットランド系ガーナ人の建築家レスリー・ロッコは、ヨハネスブルク大学建築大学院およびガーナのアフリカン・フューチャーズ・インスティテュートの創設者だ。2023年にはヴェネツィア建築ビエンナーレの総合キュレーターを務め、「The Laboratory of the Future」と題した展示を企画した。そこでは、アフリカおよびアフリカ系ディアスポラの建築家やアーティストの影響力を前面に打ち出した。同年には大英帝国勲章を受章し、2025年には176年の歴史を持つ英国王立建築家協会のロイヤル・ゴールド・メダルを受賞した初のアフリカ人となった。ロッコは現在、気候変動や移民などの課題をテーマに毎年1カ月間開催される建築ワークショップ「ノマディック・アフリカン・スタジオ」を主宰している。

シェリル・ピアース(58)

◯国連平和維持活動担当・軍事顧問代理/少将◯国籍:オーストラリア

シェリル・ピアースは国連における最高位の女性制服軍人で、30年以上にわたる軍務を経て現職に就任した。彼女は、1985年に士官候補生としてオーストラリア軍に入隊。オーストラリア国防軍の陸軍副参謀長にまで昇進した後の2024年に、国連の役職に就いた。軍に入隊する以前には警察での勤務も検討していたが、自分にはより大きな使命があると感じて軍を選んだという。彼女は「平和維持活動は単にその場にいることではない。地域社会と関わり、耳を傾けることが重要だ」と述べている。

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翻訳=上田裕資

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