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2026.02.16 18:00

日本の高市早苗首相も選出、新時代をつくる『50歳以上の女性50人』2026年版

時代をつくる「50歳以上の女性50人」2026年版に選出された、高市早苗首相(carlos110/Shutterstock.com)

時代をつくる「50歳以上の女性50人」2026年版に選出された、高市早苗首相(carlos110/Shutterstock.com)

Forbesは2026年1月21日、時代をつくる『50 Over 50 Global(50歳以上の女性50人)』2026年版を発表した。2026年で6年目を迎える本リストは、50歳を超えてから最も大きな職業的インパクトを発揮している女性50人を世界から選出し、その功績を称えるものだ。

36の国・地域から選ばれたリーダー、創業者、クリエイター、イノベーターは計50人。航空や建築から鉱物・鉱業に至るまで、ビジネスのあらゆる分野で存在感を示している。役職において「初」の存在となる記録を打ち立てた女性もいれば、数百万人の生活に恩恵をもたらし得る技術的ソリューションや医療療法を生み出した女性もいる。どの女性も、変化の激しいグローバル環境の中でレジリエンス(しなやかな強さ)を体現している存在だ。以下にその50人を紹介する。英語表記氏名を基に、姓(Last Name)のアルファベット順で掲載している(編注:一部掲載順が前後している)。


シャイハ・ハーレド・アル・バハール(71)

◯クウェート国立銀行グループ副CEO◯国籍:クウェート

シャイハ・ハーレド・アル・バハールは2014年、中東最大級の銀行の1つであるクウェート国立銀行のグループ副CEOに昇格した。彼女が統括する米国、中国、フランスを含む13カ国に展開している組織は、2024年に16億ドル(約2448億円。1ドル=153円換算)の収益を上げ、総資産は1285億ドル(約19.7兆円)に達した。同行初となる女性向けのグローバル・リーダーシップ・プログラム「NBK RISE」を立ち上げたアル・バハールは、20人の女性を経営幹部候補として育成した。業界で30年のキャリアを持つ彼女は、これまでに約1万人の従業員を統括してきた。

モナ・ユースフ・アルモアイエド(74)

◯Y.K.アルモアイエド&サンズ、マネージング・ディレクター◯国籍:バーレーン

モナ・ユースフ・アルモアイエドは、家族経営企業Y.K.アルモアイエド&サンズのマネージング・ディレクターを務めている。同社は、紅茶や砂糖、コーヒーを売る小さな路面店として創業し、現在では自動車、電子機器、重機、産業用建設事業などを手がけるコングロマリットへと成長した。1974年に事業に参画したアルモアイエドは、2000年に現職に就任した。彼女は複数の団体で理事も務めており、移民労働者保護協会の創設メンバー兼会長、Ebdaa for Microfinance-Bahrainの会長、アラブ国際女性フォーラムの執行委員会議長も兼任している。

ラディディ・クルワ・バコ=アイエグブシ(55)

◯ナイジェリア連邦保健・社会福祉省栄養局長◯国籍:ナイジェリア

ラディディ・クルワ・バコ=アイエグブシは長年にわたり公務員として働き、現在ナイジェリア連邦保健・社会福祉省の栄養局長を務めている。同国では200万人の子どもが急性栄養失調に苦しみ、5歳未満児の死因のほぼ半数を占めおり、彼女が担う職責は極めて重要だ。バコ=アイエグブシが、栄養失調の対策として打ち出した施策は、鉄分・亜鉛・葉酸・ビタミンB12を強化したブイヨンキューブを普及させ、日常の食事から微量栄養素を補うというものだ。彼女は、2024年のゲイツ財団の報告書にこう記していた。「この取り組みが成功すれば、ナイジェリアの多くの料理に使われている強化ブイヨンキューブが、国民の食事の微量栄養素の改善にもつながるはずだ」。

アイーダ・バトレ(52)

◯コーヒー生産者・不動産開発業者◯国籍:エルサルバドル

アイーダ・バトレは、エルサルバドルで5代続くコーヒー農家の一員として、コーヒーの栽培や加工、輸出を手がけている。2002年に家業の経営を引き継いだ後、彼女はトレーサビリティを確保した高級コーヒーで評価を確立。インテリジェンシアやブルーボトルなど国際的なロースターを顧客としている。コロナ禍により、コーヒー豆の価格変動、関税、サプライチェーンの混乱が業界を揺るがした中でも、バトレは事業の幅を広げた。2020年代初頭以降、彼女は家族が所有する商業・住宅用不動産の開発にも関与し、農園と同じ土地を基盤とする第2の事業を築いた。この多角化により、世界市場の不確実性が高まる中でも農業生産を維持しつつ、経営を安定させている。

エステル・ブラシュリアノフ(53)

◯ヴェオリアCEO◯国籍:フランス

世界各国が環境インフラの刷新に取り組む中、エステル・ブラシュリアノフは、持続可能な解決策をグローバル規模で提供する公益事業大手ヴェオリアのCEOを務めている。売上高480億ドル(約7.3兆円)規模の同社は、水、廃棄物、エネルギーの3事業を柱に、世界最大規模の持続可能インフラ企業の1つとして、1億1100万人に飲料水を供給し、6500万トンの廃棄物を処理し、4200万MWhのエネルギーを生産している。ブラシュリアノフは、2005年に廃棄物ソリューション部門の特別顧問として同社に入社しキャリアを重ね、50歳を目前に控えた2022年にCEOに就任した。

ペネロペ・クルス(51)

◯俳優◯国籍:スペイン

(Tomas Calle Boyero/Shutterstock.com)
(Tomas Calle Boyero/Shutterstock.com)

ペネロペ・クルスは、ハリウッドで長年にわたり第一線で活躍してきた。スペイン出身俳優として初めてアカデミー賞助演女優賞を受賞し、現在もなお同国で唯一の同賞受賞者となっている。16歳でテレビデビューした彼女は、その翌年に映画初出演を果たした。代表作には、2009年のアカデミー賞受賞につながった『それでも恋するバルセロナ』のほか、『フェラーリ』『ボルベール〈帰郷〉』がある。クルスは、3月公開予定のマギー・ギレンホール監督による『フランケンシュタインの花嫁』を再解釈したホラー作品『ザ・ブライド!』にも出演している。20代の頃から年齢について質問され続けてきた彼女は、50歳を迎えたことを「とても素晴らしいこと。私は今もここにいて、健康であり続けている」と語っていた。

アイリーン・バーブリッジ(54)

◯パッション・キャピタル及びNFG創業パートナー◯国籍:英国

コンピューターサイエンスを学んだ経歴を持つアイリーン・バーバッジは、「偶然がきっかけで投資家の道に進んだ」と述べている。キャリア初期にベライゾン・ワイヤレスやアップル、サン・マイクロシステムズに勤務し、2004年に創業間もないスカイプで短期間務めたことで、ベンチャーキャピタル(VC)の世界への足がかりを得た。2007年には、スカイプ時代の仲間とともにエストニア拠点のベンチャーキャピタル、Ambient Sound Investmentsに参画。2011年に独立し、パッション・キャピタルを共同創業した。彼女の代表的な投資の1つが、現在の評価額が59億ドル(約9027億円)に達したネオバンクのMonzoに対する250万ドル(約3億8000万円)のプレシード投資だ。

イヴォンヌ・チャカ・チャカ(60)

◯シンガーソングライター◯国籍:南アフリカ

イヴォンヌ・チャカ・チャカは、南アフリカ出身の歌手であり人道活動家でもある。60歳の誕生日を迎えた2025年に自身のヒット曲のリミックス版を発表し、12月にはアクラで開催されたアフリカン・フェスティバル・コンサートのヘッドライナーを務めた。1980年代に歌手活動を始めた彼女は、1990年のウガンダでのツアーの成功で、「アフリカの歌姫」という称号を得た。また同時期にネルソン・マンデラは、自身の名を冠した子ども基金の初代親善大使にチャカを任命した。彼女は、40年以上にわたるキャリアの中で12枚以上のアルバムを発表したほか、非営利の財団や美容企業も成功に導いた。

ネヴィーン・エル・タフリ(67)

◯デルタ・シールド・マネジメント創業者兼会長◯国籍:エジプト

ネヴィーン・エル・タフリは、エジプトで最も影響力のある女性実業家の1人として知られる。1980年にチェース・マンハッタン銀行エジプト支店で窓口担当としてキャリアを開始し、1994年には義理の兄弟とともに証券仲介会社を共同創業して起業家へと転じた。その後、複数の資産運用会社やコンサルティング企業を設立し、エジプト証券取引所の初の女性理事となった。現在はギザ拠点の金融コンサルティング会社デルタ・シールド・マネジメントの会長を務めるほか、2011年のエジプト革命後に設立したアーリーステージ向けVC、138ピラミッズも率いている。エル・タフリは、2021年にはエジプト議会議員に任命され、5年の任期を務めている。

ヒルダ・ハイネ(74)

◯マーシャル諸島共和国大統領◯国籍:マーシャル諸島

ヒルダ・ハイネは、教育者や大学運営者、政府閣僚としての長い経歴を経て、2016年に64歳で初めてマーシャル諸島共和国の大統領に就任した。同国初の女性大統領である彼女は、気候変動を政権の最重要課題に据えている。国連総会や国際的な気候交渉の場で、彼女は主要経済国に対し、海面上昇がマーシャル諸島の主権に対する差し迫った脅威であることを認識するよう訴えてきた。ハイネは、2020年の再選には敗れたが、2024年の選挙で再び勝利し大統領に復帰した。再就任後も、気候変動が国民に与える壊滅的影響について警鐘を鳴らし続けている。彼女は2025年9月、「世界が責任を果たさなければ、2050年までに私たちは海に沈む」と語った。

ロイシン・ヘネガン(62)

◯ヘネガン・ペン・アーキテクツ創業者◯国籍:アイルランド

ロイシン・ヘネガンは、ダブリン拠点の小規模な建築事務所、ヘネガン・ペン・アーキテクツを率いている。2003年、世界最大級のエジプト古代遺物コレクションを収蔵するギザの大エジプト博物館(GEM)の設計コンペで、1500組の応募者を抑えて契約を勝ち取った。2025年11月に一般公開された同館の延べ床面積は、500万平方フィートを超え、10万点以上の古代遺物を収蔵しているという。ヘネガンは、敷地のすぐ先にそびえるギザのピラミッド群が、最終的な建築デザインに大きく影響したと述べている。彼女は最近のインタビューで、「常設展示室の中からピラミッドが見えるように設計した。ある意味で、ピラミッド自体がコレクション最大の展示物になるようにした」と語った。

川久保玲(83)

◯コム デ ギャルソン創業者兼クリエイティブディレクター◯国籍:日本

川久保玲は1969年にCOMME des GARCONS(コム デ ギャルソン)を創業し、ファッション界で最も影響力のある独立系ブランドの1つを築き上げた。2004年、62歳のときに立ち上げたドーバー ストリート マーケットは、キュレーション型のデザイナー主導の小売コンセプトで、ラグジュアリーショッピングと展示空間の要素を融合させている。同店は東京、ロンドン、ニューヨーク、パリ、ロサンゼルスなどに展開している。このプラットフォームは、既存ブランドと並んで新進デザイナーにとっても重要な登竜門となった。2017年には、ニューヨークのメトロポリタン美術館コスチューム・インスティテュートで異例の単独展を開催。川久保は、ファッションデザイナーの枠を超えた文化的アイコンとしての地位を確立した。

ヴァネッサ・ハドソン(55)

◯カンタス航空CEO◯国籍:オーストラリア

ヴァネッサ・ハドソンは、売上高160億ドル(約2.4兆円)規模のオーストラリア航空大手、カンタス航空初の女性CEOだ。彼女は1994年に入社し、世界的に旅行需要が急減したパンデミック期に最高財務責任者(CFO)を務め、2023年に物議を醸した前任者の後を継いでCEOに就任。ここ数年、困難な局面を乗り越えてきた。ハドソンは今、ロンドンやニューヨークからシドニー、メルボルンをノンストップで結ぶ「世界で最も長距離を飛行できる」とされる新型機の導入に注力している。このエアバス製の機体は、2026年後半に就航予定だ。

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翻訳=上田裕資

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