欧州

2026.02.16 08:00

ウクライナ軍、小型の新型地雷を配備 ロシア軍の軽車両戦術に対抗

ウクライナ東部ドネツィク州の前線で救助を待つ同国軍の負傷兵。2026年2月13日撮影(Kostiantyn Liberov/Libkos/Getty Images)

ウクライナ東部ドネツィク州の前線で救助を待つ同国軍の負傷兵。2026年2月13日撮影(Kostiantyn Liberov/Libkos/Getty Images)

ロシアとウクライナの戦争は最新の高度な機器と結び付けられることが多いが、現在の戦線は基本的な技術、すなわち地雷によって形作られている。地雷はソビエト時代の軍事教義で重要な位置を占めていたことから、ロシアとウクライナの両国とも膨大な備蓄を保有した状態で現在の戦争に突入した。したがって、地雷は双方によって広く活用され、あらゆる攻勢作戦に対する防衛で中心的な役割を果たしている。戦況が変化し続ける中、ウクライナ軍は現在、ロシア軍の攻撃で使用されている小型車両を標的とする新たな無人機(ドローン)展開式対車両地雷を導入している。

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なぜ小型の新型地雷が必要なのか

ウクライナ製無人機が効果的に活用されていることから、ロシア軍は大規模な装甲部隊主体の攻撃から撤退せざるを得なくなった。ロシア軍は2025年夏以降、小規模な分隊単位の攻撃へと次第に移行しており、兵士は大型の装甲車両ではなく、オートバイや全地形対応車、バギー車などの小型車両で前進している。ロシア国防省は25年にこれらの軽車両3万8000台を前線に配備したと報告しており、26年には配備率をさらに引き上げる方針だ。この軽車両戦術は速度や分散などを重視しており、ウクライナ東部ドネツィク州や南部ザポリッジャ州を含む複数の前線で確認されている。軽車両に対する攻撃の成功率はまちまちだが、ウクライナ軍の無人機にとっては、従来の装甲部隊の移動列より検知や追跡が困難だ。

この戦術転換には、ウクライナ製地雷に対する耐性が向上するという利点もある。ウクライナ軍は主にTM62などの大型対戦車地雷を採用している。これは約7.5キロの爆薬を起爆させて装甲車両を破壊するよう設計されている。軽車両は通常、この種の地雷を確実に作動させるのに十分な接地圧を生み出さない。対戦車地雷の信管を改造して感度を高めたり、磁気式起爆装置を装着したりすることは可能だが、根本的な不整合は解消されない。現在のロシア軍の攻撃部隊に対する対戦車地雷の使用は、安価で容易に補充可能な軽車両を破壊するために大量の爆薬を投入することを意味する。加えて、対戦車地雷は物理的に大型だ。地表に設置された場合、小型車両の運転手から発見されやすく、適切に埋設するには時間と労力を要する。

ウクライナが開発した新型地雷

ソーシャルメディア(SNS)上の投稿によると、ウクライナ軍はロシア軍が現在攻撃任務で使用している軽量の非装甲車両向けに最適化された、新型の小型対車両地雷を導入している。この新型地雷には約150グラムの爆薬が含まれている。地雷の主な目的は車両を完全に破壊することではなく、主要部品に損傷を与えると同時に致命的な破片を発生させて車両を無力化することにある。従来の対戦車地雷に装填(そうてん)されていた大量の爆薬を削減しても、軽車両であれば無力化することは可能だ。

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新型地雷は電磁誘導信管との互換性があり、動きを感知する素子を組み込む可能性が期待されている。磁気式起爆装置は車両の金属構造物の近くで起爆でき、軽車両に対する信頼性を高める。新型地雷は遠隔操作で起爆したり、圧力で作動する信管機構を取り付けたりすることもできると伝えられている。

ウクライナが最近開発した対人地雷「アイコス」と同様、この地雷も無人機による投下を想定して設計されたものとみられる。ウクライナ軍はこれまで爆撃無人機を用いて地雷を投下してきたが、新型地雷は小型化されているため、比較的小さな一人称視点(FPV)無人機による敷設が可能となった。大型の爆撃無人機であれば1回の出撃で大量の地雷を投下でき、敷設密度と範囲を拡大することができる。新型地雷は手作業や地上ロボットなど、他の手段によっても設置が可能だ。

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翻訳・編集=安藤清香

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