地雷が効果を発揮するには大量に配備する必要があるため、製造可能性を考慮して設計しなければならない。新型地雷の設計は、異なる信管やその他の部品を装着できるよう、ある程度モジュール式になっているようだ。3Dプリント部品も組み込まれており、迅速かつ分散型の製造を可能にしている。この方法は費用を削減し、複雑なサプライチェーン(供給網)への依存を減らし、段階的な設計変更を可能にする。これにより、現地の状況に合わせた製造の適応や入手可能な資材の使用、専門的な産業基盤がなくても製造量を迅速に拡大することが容易になる。
ウクライナの新型地雷の有用性
これらの新型地雷は、ウクライナ軍の防衛線の前方に広がる既存の殺人区域(訳注:戦場で多くの死者が出る地帯)を強化するのに適している。ロシア国防省によれば、これらの殺人区域は奥行き約15キロに及び、同区域に侵入した人物や車両は無人機の標的となる。新型地雷はウクライナ軍の後方支援への負担を最小限に抑えながら、現在殺人区域への攻撃に使用されているロシア軍の車両に対抗するために設計されている。これらの新型地雷の主な利点は迅速な配備が可能な点であり、これによりロシア軍の攻撃計画の不確実性が高まる。ロシア軍は攻撃を開始する前に、無人機による偵察を頼りに、目的地までの最も確実な経路を特定している。だが、ウクライナ軍が攻撃の兆候を察知すると、地雷を搭載した無人機を機動し、敵の進攻経路と見込まれる地点に地雷を散布して移動を妨害することができる。
これらの地雷は攻撃を妨害するだけでなく、ロシア軍兵士に心理的な負担を与えている。これにより、新たに敷設された地雷への懸念から、ロシア軍の攻撃部隊は作戦の速度を落とさざるを得なくなる。同軍の攻撃の速度が低下すれば、ウクライナ側の無人機による検知の可能性が高まる。さらに、これは攻撃部隊内の恐怖を増幅させる。無人機がもたらす脅威により、自殺行為と見なされる殺人区域を通る攻撃作戦を拒否するロシア軍部隊も既に出てきている。急速に設置された地雷原はこうした懸念を強めている。
ウクライナの新型地雷に対しロシアはどう対抗するのか
軽車両向けに設計された無人機展開式地雷という新たな脅威への対応では、ロシア軍の選択肢は限られている。ウクライナ製無人機の脅威が続いていることを考慮すると、装甲部隊による攻撃への回帰はあり得ない。他方で、広大な殺人区域での完全な徒歩攻撃も非現実的だ。なぜなら、兵士が徒歩で平地を移動するのに要する長い時間の間に発見される可能性が極めて高いからだ。
ロシアはむしろ技術に基づく解決策を採用する可能性がある。1つの選択肢として、攻撃部隊に先立って地上ロボットを展開し、進路上の地雷を除去または作動させる方法が考えられる。しかし、この手法には費用がかかり、攻撃の進行をさらに遅らせるかもしれない。地上ロボットは対無人機システムを前線へ運搬する役割も担えるため、地雷搭載無人機に対する一定の防護を提供することができる。ウクライナの無人機映像が、攻撃部隊を支援するため前線に配置されたロシア軍地上ロボット「クーリエ」に妨害装置が搭載されていることを捉えた。
確立された軍事教義では、強力な防衛は新たな障害物や防御手段を統合することで、陣地を絶えず強化し深化させなければならないと強調されている。ウクライナ軍は、ロシア軍の攻勢を効果的に阻止する防衛体制を構築した。小型車両向け新型地雷の配備は、ロシア軍の進化する戦術を制約し、現在の膠着(こうちゃく)状態を強化している。


