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2026.02.15 12:00

株式市場には、なぜ非効率的なパターンが形成されるのか

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株式投資のリターンが、ドリフトしたのちに反転するパターンを描く理由

今回の論文において最も重要な発見の1つは、トレンドの継続と反転が、独立した現象ではなく、同じ過ちの2つのフェーズである、という点だ。

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決算に関するニュースが数カ月にわたって繰り返し流れると、市場でのリターンは、これまでのトレンドを継続する。しかし、この繰り返しが長引けば長引くほど、値付けの根拠は脆弱になる。そして最終的に、株価は反転する。これは、ファンダメンタルズが崩壊したからではなく、期待があまりに薄くなって、今後の業績についてのニュースだけでは株価を支えきれなくなったからだ。

論文著者らは、決算発表に関するニュースに相互関連がある場合、たとえ違う状況であっても、継続的なリターンが有意に存在し、一貫して力強いことを示した。さらに、同様の確度で、その後に反転が起きることもわかった。この2つの現象の組み合わせが重要だ。組み合わさっていることから、これが、市場心理ではないし、リスクをはらんだサイクルでもないことがわかる。これは、ゆっくりと動く、人間行動の罠がからんだプロセスだ。

実際の市場では、このトレンドは「不穏な継続」という形で現れる。筆者はこれまでも、スピンオフした事業が何カ月にもわたって目標を達成できず、その間、投資家が同様の業績を出すようプレッシャーをかけ、最終的に期待が縮みきったところで株価が反転して暴落するというパターンを見てきた。こうした反転は意外でも何でもなく、期待が尽きたことから生まれているのだ。

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株式投資のリターンが「相関の無視」によって歪められる理由

相関の無視は、気づきにくいものだ。投資家は、情報を無視しているわけではない。むしろ過剰に消費している。企業決算に関するサプライズについて、継続的に代わり映えがしない発表が繰り返された場合、投資家は、適切に重複部分を差し引いて考えることができない。彼らの頭の中では、部分的に繰り返しがあることは無視され、それぞれのデータポイントは、「新たな裏付けを提供する要素」としてカウントされる。その結果、企業が発するシグナルが、実際より強いものであるかのように反応してしまう。

今回の研究によると、この効果が最も強くなるのは、決算のサプライズ要素が突発的に現れる時よりも、むしろ、同じようなニュースが何カ月かにわたって繰り返し提示される時だという。これは非常に重要なポイントだ。つまり市場は、突発的に起きるショッキングな事象よりも、継続的に発される退屈な情報に騙されるということになる。繰り返し伝えられるメッセージには説得力があるように感じ、新奇なものには疑いを抱いてしまうからだ。

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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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