アンソロピックにとってさらに好材料なのは、Claude Codeの浸透がエンタープライズ顧客にとっての入口のように機能している点だ。アンソロピックの法人顧客の6割超が複数のClaudeプロダクトを利用していると、同社は11月にForbesに語っている。そこには、顧客がClaudeモデルの上にツールを構築できるAPIアクセス用の「Claude Developer Platform」や、医療や法律といった規制の厳しい業界を中心に、より高度なセキュリティ機能と管理者向け制御を備えたClaudeチャットボットのエンタープライズ版が含まれる。
昨夏にこのパターンに気づいた同社は、その傾向を最大化するためにプロダクトの調整を始め、新たな価格体系やバンドルパッケージを試したと、最高プロダクト責任者(インスタグラム共同創業者)のマイク・クリーガーは11月にForbesへ語っている。
同社は米国時間2月12日、年換算売上高が10月の70億ドルから140億ドルへ倍増したことも明らかにした。また、アンソロピックはエンタープライズ向け言語モデル市場において最も人気の高いベンダーにもなっている。同市場は2025年に84億ドル規模に達したが、昨夏にアンソロピックの投資家でもあるMenlo Venturesが実施した調査で、そのことが示されている。
アンソロピックの共同創業者の資産急増は同社の強さを示すものだが、別の理由でも注目に値する。ダリオ・アモデイは先月、「The Adolescence of Technology(テクノロジーの思春期)」と題する2万語超のエッセイを公表し、富が少数に蓄積される脅威に警鐘を鳴らした。
彼は、Forbesによれば現在ほぼ8500億ドルの資産を持つマスクの富が、金ぴか時代の最盛期に米GDPの約2%に相当する資産を築いたジョン・D・ロックフェラーを相対的に上回っていると指摘した。「懸念すべきなのは、社会を崩壊させかねないレベルの富の集中だ」とアモデイはしている。そのうえで彼は、アンソロピックの7人の共同創業者全員が資産の80%を慈善活動に寄付することを誓約していると述べた。
アンソロピックの最新の資金調達ラウンドにより、その誓約の総額は392億ドル(約6兆円)に達したことになる。


