欧州

2026.02.14 08:00

ウクライナ侵攻の終結に向け欧米が果たすべき役割

ロシア軍の砲撃により電気と暖房の供給が途絶えたウクライナの首都キーウで、住民向けに温かい食事と飲み物を提供するボランティアの車。2026年2月8日撮影(Maxym Marusenko/NurPhoto via Getty Images)

和平の見通しについて問われたケロッグ特使は、紛争が決定的な局面を迎えつつあるようだとの見方を示した。同特使は「恐らく、平和構築の最終段階に向かっているのではないか」と述べ、寒い季節が過ぎた後に進展があるかもしれないと示唆した。「ウクライナはこの冬を乗り切らねばならず、そうすれば優位性は再び同国の側に戻る。私は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領もそれを理解するだろうと思う。そして時間の経過とともに、同大統領もこれを維持し続けることはできないだろうと思う」

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同特使は「プーチン大統領は、主に自分が買収した者たちで構成された軍隊を持っている。一方のウクライナには、自国のために戦う軍隊がある」と述べ、両軍の動機を対比した。ケロッグ特使は領土と和平を交換する提案、特にウクライナ東部ドネツク州の一部を放棄するという構想を拒否した。「私はドネツク州の領土を放棄するのが正しい考えだとは思わない人間の1人だ。同州を明け渡せば、首都キーウが完全に無防備になるからだ」

同特使はまた、国外に避難したウクライナ人に対し帰国を呼びかけた。「多くの人が国を去ってしまったことを考えると、国外に退避したウクライナ人は国に帰って戦わねばならない。帰国した人たちは実際に、以前よりも優れたウクライナを築き上げるだろう。ウクライナの人々の技術力と成長を見れば、この国が並外れて強力な国家となることが分かる」

会合に出席した両発言者は、和平の主な障害としてロシアを指摘した。「進歩の真の妨げはプーチン大統領だ」とケロッグ特使は述べた。イシンガー議長は、「欧州連合(EU)加盟国が結束して、いわゆる凍結資産を実際に活用する決断を下すことが極めて望ましかった」とし、凍結されたロシア資産の活用を含む、より強力な措置を求めた。議論は、戦争終結にはロシアへの持続的な圧力、欧州諸国の結束、米国の継続的な関与、そして領土割譲の拒否が必要であるとの見解で締めくくられた。

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北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長らも出席した討論会、ウクライナ・ブレックファスト・ダボスでは、米国のスティーブン・ウィトコフ中東担当特使が講演を行った。「トランプ大統領はウクライナ向けの関税免除区域について言及したが、これは形勢を一変させるだろう。業界がその区域へ進出する様子が見られるはずだ」

NATOのルッテ事務総長は次のように述べた。「われわれは和平交渉を成功裏に実現させるためにあらゆることを行う。とはいえ、それは明日起こることではない。その一方で、ウクライナ人は明日にも迎撃ミサイルシステムと軍事支援を必要としている。欧州とカナダの同盟国は集中を保たなければならない」

ロシアの拡張主義を恐れて2023年にNATOに加盟したフィンランドのアレクサンデル・ストゥブ大統領はこう述べた。「現在私たちが直面している大きなジレンマは、ロシアにこの戦争を終わらせるようどう強制するかだ。私たちにできることは2つだけだ。1つは、ウクライナが必要とするあらゆるものを引き続き提供すること。そしてもう1つは、ロシアに対する経済的圧力を強めることだ。最終的にはウクライナが戦争に勝利するだろう」

ロシアは今年に入ってもウクライナの都市やエネルギー施設への爆撃を継続しており、民間人を殺害し、厳しい冬の寒さの中で人道危機を引き起こしている。停戦は成立しておらず、和平交渉の報告書にはロシアの戦争犯罪や残虐行為に対する結果についての言及は一切ない。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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